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[6]赤字でも億円報酬の役員26人

大鹿靖明 ジャーナリスト・ノンフィクション作家(朝日新聞編集委員)

 上場企業の経営者がいやいやながら応じざるを得なかった「億円報酬」の開示によって、大赤字なのに高額報酬を得ている役員の存在が明らかになった。東証1部上場企業を対象に調べると、その数は9社に26人いた。

 東京商工リサーチが東証1部上場企業1337社を対象に調査し、6月30日午後3時半までに2010年3月期決算の有価証券報告書の開示を確認できた1316社をもとに集計した。それ以降開示した企業や東証2部、ジャスダック、マザーズなどに上場している企業は対象から外した。

 それによると、ソニーは純損益が2期連続の赤字であるにもかかわらず、1億円以上の高額報酬を受け取っていたのは、ハワード・ストリンガー会長兼社長ら7人いた。ストリンガー氏はソニー本体とソニー米国法人の2社から合計4億円余の役員報酬を得る一方で、50万株相当のストック・オプションも付与された。1株=813円と仮定して4億700万円分になる。合計で8億円を超える。

 ソニーの例でもわかるとおり、外国人幹部は総じて高報酬だ。「赤字でも億円報酬役員」の26人のうち、約3分の1の9人までが外国人である。

 代表格は新生銀行だろう。

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