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「どこで?誰と?どう仕事をするのか?」―震災は仕事観をどう変えたか

常見陽平

常見陽平 千葉商科大学国際教養部准教授 いしかわUIターン応援団長  社会格闘家

 求職者の間で「地元志向」が急激に高まっている。UIターン転職希望者を支援する人材紹介サービスを展開するリージョンズ株式会社の代表取締役高岡幸生氏によると、震災後に地域をまたぐ転職を希望する人の割合が増えているという。転職は元々、年間の中でする人の絶対数や、目的の割合が変動するものなのだが、この企業のある担当者が対応している候補者に関していうと、推移は次のようになった。

 絶対数は少ないものの、割合や相談内容で言うと明確にUIターン希望者が増えているという。福島県で働いていた北海道出身のAさんは震災後、Uターンを希望。業種を問わずに転職活動を行い、開始から1ヶ月半で転職先が決まった。同じく北海道出身のBさんは、札幌本社の企業で勤め昨年からいわきで働いていたが、この震災を機会に地元に戻ることを決意したという。

 被災したエリアで働く人だけではない。他県で働いていた東北出身者は、こんな時こそ地元に戻らなくてはという意識で、東北に戻るべく転職活動を開始している。海側の方がこの傾向は顕著だという。なお、東北以外のエリアにおいてもUIターンの動きが顕著だという。転職情報サイトの会員数も震災後に増加傾向のようだ。

 新卒採用においては、被災地の学生、被災地出身者の学生で地元志向が顕著だ。毎日コミュニケーションズが発表した『2012年卒 マイコミ学生就職モニター調査 4月の活動状況』によると、

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