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孫氏の独占はよくない。もっと競争を

木代泰之

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 大規模な太陽光発電所「メガソーラー」――再生可能エネルギー法の成立を見越して、この新ビジネスにさまざまな業種から参入する動きが出始めている。後発だった孫正義氏は「800億円を投じて全国10か所に計20万キロワットのメガソーラーを建設する」とケタ外れの計画を表明。「脱原発」の機運に乗り、「自然エネルギー協議会」に35道府県の知事や17政令指定都市の市長らを集めることに成功、一気に先頭に躍り出た。

 しかし、これから大いに発展するビジネスであり、発電した全量を固定価格で買い取る制度が実現すれば、少ないリスクで事業ができる。多数の事業者が参加する競争原理によって発電コストを下げていくのが筋である。

 自治体は多くの遊休地を持っている。知事や市長を取り込んだ孫氏のソフトバンクだけが独占的に有利なポジションを得るのは好ましくない。大企業からベンチャーまで参入させ、切磋琢磨して競い合う形にもっていくべきだ。

 メガソーラーは発電規模が1000キロワット以上のものをいい、2008年ごろから電力会社、地方自治体、石油企業、電機メーカーなどが試験的に建設・運転してきた。最近は太陽発電システム施工会社や風力発電会社、投資ファンドなども参入を計画している。

 孫氏の計画は1か所あたり2万キロワットで、従来のものより一ケタ大きい。それには約50ヘクタールの土地が必要だが、日照、平坦な地盤、道路などのアクセスが良くなくてはならず、用地確保が成否を決めるカギになる。

 孫氏は5月末、参院委員会に参考人として呼ばれた際、休耕田や耕作放棄地で発電する「電田プロジェクト」を表明した。しかし、

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