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どうしても来る1ドル50円時代

浜矩子

浜矩子 同志社大学大学院教授(国際経済学)

 どうしても来る1ドル50円時代。筆者にはどうしてもそう思える。

 円高肯定論への疑念と忌避の論調は世に多い。その気持ちは解る。だが、問題はそれを肯定するか否定するかではない。どうしても来るものを否定しても始まらない。その時何がどうなるかを考えることに意味がある。

 なぜ、どうしても来る1ドル50円時代なのか。理由が二つある。その一がバランス要因、その二が歴史要因だ。

 バランス要因とは、要するにドルが安くならなければ地球経済的なつじつまが合わないということである。

 今の地球経済は、基本的なところでバランスが大きく崩れている。キリギリス陣営とアリ陣営に二極化してしまっている。キリギリス陣営は、事実上の一人部屋だ。そこに住み着いている超メタボ・キリギリスがアメリカである。

 メタボ・キリギリスはカネの借り過ぎ、使いすぎ。モノの買い過ぎ、作らな過ぎだ。一方のアリさん陣営には

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