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なぜ日本にはシリコンバレーが存在しないのか

木代泰之

 スティーブ・ジョブズ氏の功績は、iPodやiPhoneなど画期的な製品を生みだした点だけにあるのではない。この30年間の米国の産業構造の大転換をリードしたのが他ならぬ彼である。自動車や電機製品を作る従来のモノづくり型産業から、ITやハイテク産業中心の米国へ。競争力を失った産業が退出し、それに代わる新産業がベンチャーから生まれてくるという新陳代謝の形を自ら体現して見せたのだ。

 この新陳代謝こそ米国の力だった。シリコンバレーだけではない。東部の街ボストンはバイオテクノロジーや遺伝子工学のベンチャー集積地になり、ニューヨーク州都アルバニーでは100社を超すベンチャーがナノテクセンターを形成している。次の準備が始まっているのだ。

 日本はといえば、残念ながらベンチャー企業が独自の技術や事業モデルを世界に広めた成功例は(戦後のホンダやソニーを除いて)まだ少ない。日本人の頭脳が米国人に比べて優れていないわけではなく、 ・・・続きを読む
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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

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