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セブンがつかんだ新顧客

多賀谷克彦 朝日新聞東京本社経済部長

 真空パックされた「さばの味噌煮」(178円)の骨は手作業で抜かれ、「さわらの西京焼」(198円)は味噌床に5日間つけ込んで、途中で天地返ししてある。セブン―イレブン・ジャパンが独自に開発したブランド「セブンプレミアム」の売れ筋商品の一例だ。

 プレミアム1500品目のうち、ひと手間かければ夕食の献立となる冷蔵(チルド)品、冷凍品の売上高が急伸している。中心となる購買層は、都市部に住む単身女性や高齢者だ。

 セブンが1974年、東京・豊洲に第1号店を開設して以来、コンビニを社会インフラへと育てたのは若年層、しかも男性が中心だった。

 だが、40年近い間に市場は大きく変わった。今では、単身世帯が国勢調査開始以来、最多の31.2%を占め、実数でも「夫婦と子どもから成る世帯」を上回った。65歳以上では、男性の10人に1人、女性の5人に1人が一人暮らしだ。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計でも、2030年には50歳時の未婚者の割合は男性30%、女性23%、単身世帯率は37%にまで増える。

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)の村田紀敏社長は

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