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山形選挙区で自民党が勝った意味

山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

 今回の山形選挙区では、自民党の新人大沼瑞穂氏が、激戦の末にみどりの風の現職舟山康江氏を破って初当選を果たした。

 舟山氏は前回、民主党から立候補して当選したが、TPP参加に反対して、離党した。この選挙区が注目されたのは、選挙前からほとんどの一人区で自民党候補の圧勝が伝えられる中、首の差を争うような接戦となったことが挙げられる。より重要なことは、これまでJA農協は自民党と二人三脚で行動してきたが、山形選挙区では、農協が非自民の舟山氏を推薦したことである。

 TPP参加を決めた安倍首相に抗議して、北海道ではJA農協は、自主投票を決めた。青森では、JA農協は共産党候補まで含めて非自民3候補を推薦している。JA農協―自民党―農林水産省の「農政トライアングル」に、亀裂が入っているのである。

 私が関心を持つのは、山形選挙区で自民が勝利したという選挙結果が選挙後のTPP交渉や農政に与える影響である。

 仮に、JA農協の推薦を受けた舟山氏が勝ったとしたら、どうだっただろう。JA農協と自民党の関係は、

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