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安易なSNS利用の落とし穴

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 「大学生の新聞離れ、学割では食い止められない」に続いて、メディアについて考えてみる。

 昨年度は、学生からのフェースブック(FB)の友達を承認し、今年度は、「先生、LINE(ライン)やらないのですか」の声に促され、日常の連絡に使い始めた。学生と同じネット環境にしたうえで、同時に、いかなる授業でも、情報倫理の話に時間を費やすことにしている。

 なぜかというと、危うさを感じるからだ。団塊の世代からは、「大学教員がそこまで指導する必要はない」というお叱りも予想されるが、九州大学では自炊の仕方を教える「自炊塾」も開講されている。家庭内の教育と考えられていたテーマも大学で補いつつあるのだ。

 「学生が新聞を読んでいない可能性を前提にしている」と前回は述べた。逆説的に言えば、学生たちが、インターネット、とくにスマートフォン(多機能携帯電話)に依存していることを前提に授業を組み立てている。

電子によらないアナログな双方向授業

 学生には毎回の授業で、400字の原稿用紙を一枚渡す。時折、小テストやアンケートの回答用紙に活用するが、普段は、授業の要約のほか、質問・感想も書いてもらう。ああ、スマホで検索して写したのなというのも多少、混じることがある。

 原稿用紙というアナログな道具によって、

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