2014年04月15日
中国の貿易額の拡大ペースの急減速が、大きな話題になっている。中国政府自身の公表したデータによると、米ドル換算額では、今年3月には、輸出額は昨年の3月に比べて6・6%もの減少、輸入額は実に11・3%もの減少を記録した。
中国は、旧正月を祝うので、1月~3月の月次経済統計は、旧正月のタイミングが1月になるか2月になるかで、各月の統計が大きく影響される。そこで、今年1月~3月期の輸出入総額を、昨年1月~3月期に比較した変化率を見ても、輸出額は3・4%の減少、輸入額は1・6%の増加に過ぎなかったことが分かる。
中国の輸出入額は、リーマンショック後の2009年には急減したが、その後は急回復・急上昇に転じた。しかし、その増加率は、逓減して来たのが実状である。スピードは落ちたが、前進していたわけである。それが、急停車したような状況になったわけである。
ちなみに、中国経済は、10年以上前の2003年には輸出額では日本経済を凌駕し、その翌年の2004年には輸出額でも日本経済を超えて、アジア最大の貿易大国となって久しい。昨年には、輸出額・輸入額合わせた貿易総額では米国を超え、世界一となった。
日本から見ても、21世紀に入ってからは、東アジア(中国、韓国、台湾、香港の4地域)、東南アジア(ASEAN加盟10カ国)が、日本の最大の輸出先になっている。最近では、日本の全輸出額の半分余りが、この東アジア・東南アジア向(ASEAN)けである。
注目すべきは、東アジア・ASEAN地域は、欧州連合のような細部にわたった経済制度の統合はないが、貿易を通じた相互の依存度の高さは、欧州連合と余り変わらないことである。
しかも、この東アジア・東南アジア地域は、非常に多様である。
宗教を見ても、仏教、儒教、道教、キリスト教(カトリック、プロテスタント)、イスラム教、ヒンズー教など多様である。ちなみに、大多数の日本人には意識されていないようであるが、日本の隣国の韓国では、国民の30%前後がキリスト教徒とされ、20%余りの仏教徒を大きく凌ぐ宗教勢力である。
政治体制も、民主主義から1党独裁まで、様々である。欧州連合地域の国民は、域内の移動・移住は自由であるが、
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