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 インド経済は1980年以降高度経済成長期に入り、1979年から2008年の平均成長率は5.8%、特に2004年から成長率は加速し、2004年~2011年の平均成長率は7.9%に達した。しかし、2012年に入るとヨーロッパ危機等の影響を受け成長率は急速に鈍化し、2012年には4.7%、13年には4.4%まで落ち込んでいる。

 2012年~13年の成長鈍化は新興市場国共通のもので、2013年、中国の成長率は7.7%、ブラジルは2.3%、ロシアは1.3%、南アフリカは1.9%まで下がっている。インドは特に、前回の「失速するインド経済の行方」でも論じたように、フラッジャイル・ファイブ(脆弱な五カ国)の中にトルコ・インドネシア・ブラジル・南アフリカとともに加えられてしまった。高インフレ、経常収支の赤字の大きさ(2012年度の消費者物価指数の上昇率10.4%、経常収支赤字881,5億ドル)が問題にされたのだった。

 こうしたなか、2013年9月にはラグラム・ラジャンがインド準備銀行の総裁に就任し、9月25日には政策金利を2年ぶりに引き上げ積極的なインフレ対策を実施し始めた。2014年1月28日には政策金利の3度目となる引き上げを実施し、レポ金利は8.0%になった。この結果、消費者物価は下落し始め、現在8%前後の水準になってきている。下落していたインドルピーも安定し底固い動きが続いている。

 ラジャン総裁はインフレ・ターゲットの設定等一連の改革案を提案し、市場はこれを歓迎し、海外の信頼も大きく増加してきている。こうした政策の結果経常収支の赤字も縮少し、インド株価もこのところ大きく上昇している(2013年9月のSENSEX指数は19,378.8、2014年4月の同指数は22,417.8)。こうした経済の再生は、ラジャン効果とでも呼ぶことができるだろう。

 先ごろ実施された2014年5月の総選挙ではインド人民党が圧勝し、過半数以上の議席を獲得し、新首相ナランダム・モディの手腕への期待が高まっている。モディ首相はグジャラート州の知事としてグジャラート州をインド一の産業地域に育てた実績を持っている強力なリーダーだ。インド全体の経済を担ってこれから ・・・続きを読む
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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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