メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

自動車メーカー世界首位交代とその意味(上)

中西孝樹 ナカニシ自動車産業リサーチ代表

 7月末の各紙報道は、2014年上半期(1-6月期)の自動車トップ3の世界自動車販売台数速報を報じ、トヨタ自動車が3年連続の首位を確保したものの、独フォルクスワーゲン(VW)、米ゼネラル・モーターズ(GM)の猛追を受けている状況に焦点が当てられています。つまり、世界首位交代の日が迫っているのです。

 自動車メーカーは販売台数規模を争うことが経営の目的ではありませんが、この交代劇の意味するところは何なのであるのかを考えてみましょう。

 2014年1~6月期の世界3強の世界販売台数は、トップのトヨタ自動車が509.7万台(前年比3.8%増)、2位のフォルクスワーゲン(VW)が506.6万台(同5.6%増)、3位のゼネラルモーターズ(GM)が492.1万台となり、その差は僅かに3万台と際どく詰まってきています。

 8月5日にトヨタ自動車は2014暦年の世界販売計画を1,033万台から1,022万台に下方修正を発表しています。VWの勢いに変化がなければ、2014年で首位逆転が起こることは濃厚な情勢です。

 近著「トヨタ対VW」の中で、筆者は「中国市場の拡大基調に際立った変化がないかぎり、2015年頃にVWがトヨタに並び、2020年に向けて規模格差は拡大する公算」と指摘しましたが、どうやらこの逆転劇は予想よりも1年早く起こりそうです。

 世界自動車販売ランキングで、初めて欧州メーカーが首位に躍り出ることは、自動車産業の国際競争力の地殻変動を映す重大な出来事ととらえる必要があるのです。グローバル自動車産業の競争優位に大きな転換を引き起こすことは、1999年代に欧州連合(EU)を形成して以来の欧州自動車産業の戦略が結実した証でもあります。

 周知の通り、欧州は自動車産業の発祥の地であり、 ・・・続きを読む
(残り:約1372文字/本文:約2121文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
デモクラシーやJournalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

中西孝樹

中西孝樹(なかにし・たかき) ナカニシ自動車産業リサーチ代表

(株)ナカニシ自動車産業リサーチ代表。1994年以来一貫して自動車業界の調査を担当し、日経金融新聞・日経ヴェリタス人気アナリストランキング自動車・自動車部品部門、米国Institutional Investor(II)自動車部門ともに2003年~2009年まで6年連続第1位。2011年にセルサイド復帰後、日経ヴェリタス人気アナリストランキング、IIともに自動車部門で2013年に第1位。1986年オレゴン大学ビジネス学部卒。山一證券、メリルリンチ証券等を経由し、2006年からJPモルガン証券東京支店株式調査部長、2009年からアライアンス・バーンスタインのグロース株式調査部長に就任。2011年にアジアパシフィックの自動車調査統括責任者として、メリルリンチ日本証券に復帰。2013年に独立しナカニシ自動車産業リサーチを設立。

中西孝樹の新着記事

もっと見る