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米独がリードする製造業革命、日本が取るべき道

Internet of Everythingの下、個々の人材の優秀さを生かせ

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 製造業の革命が世界で起きようとしている(下の表)。米国ではGEやIBM、シスコシステムズなどが合同で「先進的製造業の再興」を掲げ、ドイツではシーメンスやボッシュが政府と一体で「インダストリー4.0(第4の産業革命)」を進めている。韓国やブラジルも国を挙げて取り組んでいる。

 背景にあるのは、すべてのモノや人がインターネットでつながるIoE(Internet of Everything=注)の到来である。

 米国はITや金融業に偏ってきた産業構造を見直し、雇用が安定して給与が高い製造業の復活にかける。幸いシェールガスの発掘でエネルギーコストが安くなり、海外に出ていた工場が少しずつ戻っている。

 リーダー格はGEで、ジェットエンジンや発電機などに多くのセンサーをつけて24時間データを集め、消耗度や異常の有無を監視する。部品の交換時期を予測して顧客に知らせ、「故障しないサービス」や「機械を止めないサービス」を実現している。

 一方、ドイツは工場の徹底した自動化による生産性向上を目指している。国中にある生産設備、製品、部品などにIDを割り振り、何がどこでどう製造されているかをコントロールする。ドイツ全体を一つの仮想工場に見立て、ムダのない最適生産を実現しようという壮大な試みだ。

 その場合、単純労働や機械を監視する仕事は不要になり、人間は設計やシステム開発といった付加価値の高い仕事に就くことになる。

 日本にとって、こうした製造業革命は良くも悪くも参考になる。とくにGEのサービス化戦略は日本企業のお手本になる。コマツがすでに建設機械で同じサービスに取り組み、

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