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なぜ男子学生を一般職で採用しないのか

総合職の女性が一般職の男性をパートナーに選び、男性が育児休暇を取得してもいい

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 「OG・OB訪問をしたい」、「12月のインターンシップに参加したい」。学生からこんな相談が舞い込んでくる。同時に「久しぶりに新卒を採用したい」と、学生の紹介を求める有り難い申し入れも企業経営者から届いている。

一般職から排除されてきた男子学生

 地方の大学教員も実感できるほど、新卒求人は確実に回復している。ただし雇用情勢とは関係なく、2016年度入社予定者の就職活動の開始時期は12月から来年3月に後ずれしている。さて、この論考では、金融機関のコース別採用を踏まえながら、男子学生の採用形態について考察したい。

 雇用に関する講義で最も質問やコメントが多いのは、男子学生が事実上、一般職から排除されてきた点である。会社セミナーや説明会を観察していると、男子学生が人事部門スタッフに応募の可否を質問する姿をいくつも見かけた。会社側は言葉を選びながら丁寧に回答していた。

 これまで日本企業の人事部門は、管理職コースの総合職と、総合職をアシストする一般職に大きく分けてきた。一般職の求人には女性限定とは表示しないものの、実態としては男性の採用をあまり想定してこなかった。そして金融機関中心に、男女機会均等法の施行前後、準総合職という中間的なコースが設けられ、現在に至っている。

メガバンクは3コースで採用

 大手金融機関の新卒採用サイトによると、採用コースがいくつにも分けられている。

 東京三菱UFJ銀行は総合職、総合職(特定)、アソシエイト職、三井住友銀行も、総合職、総合職(リテールコース)、ビジネスキャリア職、みずほフィナンシャルグループは基幹職(総合)、基幹職(専門)、特定職に分けている。

 メガバンクでコース名は異なるものの、三つに大別されている。東京三菱UFJ銀行の総合職(特定)は

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