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2014年総選挙の結果が真に意味するもの

有権者の4分の1未満の支持で7割近い議席を獲得した与党と「棄権・無効票派」の今後

齋藤進 三極経済研究所代表取締役

 12月14日に投開票された衆議院議員総選挙の結果については、様々な論評が出ているが、その結果を正確に読み解くためには、形容・修辞的な言語を使った総選挙結果の安易な評価に拙速に走る前に、有権者が、各政党・会派に対していかなるなる投票行動を取ったかを、具体的な得票数で見るのが肝心だ。それも、数字を並べるだけではなく、数字をグラフ化して眺めるのが重要である。巧妙な修辞的言説によるイメージ操作を狙った論評に惑わされないためである。この愚直な作業が、民主政体下での政治分析の基本だろう。

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 上のグラフは、2009年8月の衆議院議員総選挙以降の計4回の国政選挙における主要政党・会派の比例代表での得票数の推移を表示したものである。有権者数は、2009年の総選挙時の1億0395万から、今次の総選挙時の1億0425万と、あまり変わらない。

 まず、今回の総選挙では、有効投票数5332万票の内で、与党の地位を再度確保した自民党は、得票率が33.1%、得票数が1766万票、公明党では、それぞれ13.7%、731万票であった。両党合計では、得票率が46.8%、得票数が2497万票であった(各数字は、四捨五入した結果で、合計は必ずしも一致しない)。

 しかし、有権者数の1億0425万に対する得票率を見ると、自民党が16.9%、公明党が7.0%と、両党合計でも24.0%に過ぎない。

 有権者の4分の1未満の支持で、この総選挙での自民党の獲得議席数は、衆議院の解散前に比べて2議席減ったものの293議席、公明党は4議席増の35議席だった。両党の総獲得議席数は、328議席と、衆議院の総定数475議席の69.1%を占めることになった。

 このトリックは簡単である。比例での公明党票の大部分が、小選挙区では自民党候補に投ぜられ、自民党は小選挙区では223議席したのだ。自民党は、小選挙区議席数295の内で、実に75.6%もの議席を獲得した訳である。実に、絶妙かつ強力な選挙協力と言えよう。

 しかし、2000年6月の総選挙以来の自民・公明の見事な選挙協力も通用しなかったことが2度あった。2007年7月の参議院議員選挙と、 ・・・続きを読む
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筆者

齋藤進

齋藤進(さいとう・すすむ) 三極経済研究所代表取締役

(株)三極経済研究所・代表取締役。1950年静岡県生まれ。73年京都大学経済学部卒、73年より、国際関係研究所客員研究員(台北)、76年ミシガン大学大学院経済学博士課程修了。フォード財団特別研究員、ウォールストリートで、金融機関、機関投資家、国際機関向けの独立経済コンサルタント業、クレディ・スイス銀行(東京)経済調査部長兼チーフ・エコノミストなどを経て、1990年より現職。「平成不況」の名づけ親として、多くの経済政策論文・論説を発表。著書に『平成不況脱出』(ダイヤモンド社)、『平成金配り徳政令』(講談社)など。世界の100人のTop Political Columnistにも選ばれている。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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