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戦後70年―占領下の日本に注目

占領下の「吉田学校」が自民党に引き継がれ、次第に世襲の世界に

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 2015年は戦後70年目にあたる。様々な70年の回想が文章になってくるのだろうが、筆者が最も興味を抱いている時期は1945年から52年の7年間、いわゆる占領の時期である。というのは、この7年で戦後日本の方向が定まったのではないかと思っているからだ。

自由党大会で演説する吉田茂首相=1951年1月20日自由党大会で演説する吉田茂首相=1951年1月20日

 この時期の最高権力者はGHQのダグラス・マッカーサーだったが、間接統治方式だったので、日本側も内閣を組織し、GHQの枠内ではあったが政治・行政を仕切っていたのだ。この時期の日本政治をリードしたのは吉田茂。第一次から第五次吉田内閣まで7年強総理大臣を務めた。サンフランシスコ平和条約によって日本が再び独立した時の総理も吉田茂だった。

 自ら官僚(外務省)だった吉田は官僚出身者を重用し、彼等を中心に「吉田学校」といわれるグループを形成した。池田勇人、佐藤栄作、田中角栄ら、1960年代から70年代にかけて日本をリードした政治家達が、

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