あえて、「さあ、スイッチを入れてニュースを学び、議論を始めよう」
2015年04月08日
「スマホやめますか、それとも…」と入学式で語りかけた信州大・山沢学長の真意は、「自分の頭でゆっくり考える時間を持て」ということだった。発言の趣旨は、あいさつ文を読めば明確である。誤解や反発を招くことも承知のうえで、この表現を用いたのは、一石を投じたいという気持ちと教育にかける熱意のせいなのだろう。
短いフレーズだけをとらえて、「なにを時代遅れな…」などと反発してみても、はじまらない。時間をかけて考える習慣をつける中から独創性をはぐくみたいという学長のメッセ―ジを、まずは受け止めてみよう。学長は話題となったフレーズに続けてこう言っている。「スイッチを切って、本を読みましょう。友達と話をしましょう。そして、自分で考えることを習慣づけましょう。自分の持つ知識を総動員して、ものごとを根本から考え、全力で行動することが、独創性豊かな信大生を育てます」
これはこれで、ごもっとも。さて、それでスマホとどうつきあえばいいのであろうか…。
実際にはほとんどの大学生がスマホを利用している。「ニュースはスマホのアプリで読んでいます」という学生の声を聴くと、私は「それじゃあ、世の中のことはわからないよ。だまされたつもりで紙の新聞を読んでごらん。図書館でもいいから」と言ってきた。
しかし、「パソコンは持ってないけど、スマホで大学のシステムにアクセスしています」という学生に会って、少し考えが変わった。
いま私は、スマホやパソコンを使って学生たちがデジタル新聞を読みこなせるようにしたいと考えている。そのうえで、さまざまな問題解決のための政策とジャーナリズムのありようを、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください