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ヤフー、「3度目の金融事業参入」の成否

揺れるソフトバンクグループの事業戦略に厳しい見方も

大鹿靖明 朝日新聞経済部記者

 ヤフーが再び金融事業に参入しようとしている。

 もともとヤフーを傘下に有するソフトバンクは2000年前後、いち早くネットと金融の相性が良いことを見抜き、米Eトレードへの出資などネット金融事業に先駆けていたはずだった。だが、金融部門を率いていた北尾吉孝氏がSBIホールディングスとして分離独立。先行していた金融サービスを失う一方、後発の楽天が物販と金融の相乗効果を生かして台頭し、いまやヤフーの遥かに先を行く。失地回復を求めて再参入を図る背景には、ソフトバンクグループ総帥である孫正義社長の“移り気"な性格がある。

拡大ヤフーの宮坂学社長

 “爆速"を掲げるヤフーの宮坂学社長は5月8日、私のインタビューにこたえ、「広告、物販、金融を三本の柱にする」と明言し、今後、金融サービスのラインナップを拡大する意向を明らかにした。

 ヤフーは2013年、国内のネット通販でアマゾンと勢力を二分している楽天に追いつこうと、ネット通販「ヤフーショッピング」の出店料の無料化に踏み切った。無料化効果によって出店数は13年度末の8万店が28万店に激増。宮坂氏は「ショッピングとオークションの流通総額は1兆円もあります。広告だって数千億円も動いており、中にはカード決済もある。ヤフー上の広告や物販で動いているお金が膨大にあるため、それを内部に取り込んでいきたい」と、金融事業に再参入することを決めた。

 ヤフーは1月、カード会社のケーシー(現ワイジェイカード)を買収して傘下に収め、楽天をまねて4月からクレジットカードの「ヤフージャパンカード」を発行した。さらに、かねて出資していたネット専業銀行のジャパンネット銀行への議決権を12%から41%に拡大し、 ・・・続きを読む
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筆者

大鹿靖明

大鹿靖明(おおしか・やすあき) 朝日新聞経済部記者

1965年、東京生まれ。早稲田大政治経済学部卒。88年、朝日新聞社入社。アエラ編集部などを経て現在、経済部記者。著書に第34回講談社ノンフィクション賞を受賞した『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』を始め、『ヒルズ黙示録 検証・ライブドア』、『ヒルズ黙示録・最終章』、『堕ちた翼 ドキュメントJAL倒産』、『ジャーナリズムの現場から』がある。近著に『東芝の悲劇』。キング・クリムゾンに強い影響を受ける。

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