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[20]「金権政治」から「企業直営政権」へ

労働者派遣法改定で浮かび上がる強者が牛耳る政治の歪み

竹信三恵子 ジャーナリスト、和光大学名誉教授

 労働者派遣法改定が強行採決されようとしている。非正規労働者の権利実現全国会議が派遣労働者たちに行った緊急アンケートは募集開始から数日で300通近くに達し、いずれにも、今回の改正で一線の働き手たちの法改定への懸念が生々しくつづられている。こうした声を無視した改定の背景からは、しばしば批判される「金権政治」の域をとうに超えたかに見える「企業直営政権」の姿が浮かんでくる。

責任を派遣社員に転嫁

空転する衆院厚労委。奥右端は塩崎恭久厚労相=2015年6月11日午後2時36分

 派遣労働の特に大きな問題点は、労働契約を結ぶ雇い主(派遣会社)と働いている会社(派遣先)が別であるため、派遣社員が職場の労働条件改善を求めても「うちの社員じゃないから」と責任回避されてしまう点だ。働き手の人権の根幹である労使交渉権を事実上行使できない、こんな働き方が恒常化しないよう、国際社会は派遣を、臨時・一時的な働き方に限定してきた。

 日本でも、企業が一定の年限を超えて派遣社員を働かせるなど派遣法違反があった場合、派遣先は自社での直接雇用を申し入れる義務を設けることで、その臨時性を保とうとしてきた。例外として、

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