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よろめく世界経済

世界は19世紀以前の状況に戻るリオリエント状況になっている

榊原英資

成長率の減少が続く世界経済

 2015年の世界経済の成長率は3.1%、14年の3.4%から一割近く減少している。先進国経済は順調なのだが、新興市場及び途上国の成長率が2014年の4.6%から15年には4.0%まで下がっているのだ。

 原因は石油等天然資源価格の下落。資源輸出国であるロシアの成長率は2015年にはマイナス3.7%に下落、ブラジルもマイナス3.8%まで下っている。南アフリカも1.3%と過去10年(2005~2014年)の平均成長率3.01%から大きく下げてきている。

 中国は1980年から2011年まで平均10%を超える成長率を達成してきたが、2012年から成長率が下落(2012年7.70%、2013年には7.70%、2014年7.30%)し、2015年には6.90%まで下がってきている。IMFによる2016年4月の推計では2016年にはさらに6.49%まで下落すると予測されている。

高成長を見せているインドだが……

4カ国首脳会合で、あいさつするインドのモディ首相=2015年9月、米ニューヨーク、代表撮影拡大4カ国首脳会合で、あいさつするインドのモディ首相=2015年9月、米ニューヨーク、代表撮影

 いわゆるBRICs諸国(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)の中で好調なのはインドだけ。インドの2014年の経済成長率は7.24%、15年は7.34%だ。IMFの2016年4月の推計によると2016年はさらに7.45%まで成長率が上昇するとされている。

 新首相のナレンドラ・モディ、中央銀行総裁(RBI=Reserve Bank of India)ラグラム・ラジャンのもとで経済政策運営も順調に進んでいる。

 ただ、世界経済全体が減速する中でどこまでインドが高成長を維持できるかは定かではない。1980~2011年のインドの平均成長率は6.22%、中国のそれ(10.02)より4%弱低かったのだ。しかし2015年には7.34%の成長率を達成し、中国の6.90%を抜くに至ったのだ。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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