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東京五輪は箱モノでなく地方再生につながる投資を

根本直子

五輪投資のプラスとマイナス

握手する東京都の小池百合子知事(左)とIOCのトーマス・バッハ会長拡大握手する東京都の小池百合子知事(左)とIOCのトーマス・バッハ会長

 オリンピックは、日本の景気にとってプラスの効果が期待されている。だが人手不足や建築費の高騰を招くというマイナス面もある。開催後の反動減による景気後退のリスクも無視できない。

 必要なのは「箱モノ」より、生産性を高め、地方創生につながる投資だ。

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 東京オリンピック・パラリンピックの開催費用が当初見積もりを超えて3兆円以上にふくらむと言われており、その見直しが問題となっている。

 一方で、オリンピックは、民間設備投資や観光客の増加を通じて、経済活動にプラスの効果をもたらすと期待されている。実際に、羽田と成田を直接に結ぶ鉄道の設置は、品川など周辺の再開発に結びついている。

 また首都圏を中心に、ホテルや商業施設の新築、増改築も活発化している。

 日銀のリポートによれば、2017-18年にかけての建設投資は主要なプロジェクトだけで約10兆円に上り、国内総生産(GDP)の水準を2014年対比でプラス0.4~0.6%ポイント程度押し上げると予想されている。そのほか、セキュリティー対策、小売り、外食、スポーツ用品など幅広い分野が恩恵を受けるといわれている。

 一方でオリンピックの投資は、一定期間に集中することから、人手不足や建築費の高騰を加速させるおそれもある。日本経済が完全雇用、労働人口減少という他国に例をみない状況にあることには、注意が必要だ。 また東京一極集中や、オリンピック後の景気の反動減も懸念される。

 以下、オリンピックの問題点と、対応策を考えてみたい。

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筆者

根本直子

根本直子(ねもと・なおこ) アジア開発銀行研究所・エコノミスト

早稲田大学法学部卒業、日本銀行入行、退社後シカゴ大学経営大学院で経営学修士(MBA)を取得しスタンダード&プアーズ入社。同社マネジングデイレクターとして、日本の金融機関格付けを統括。またアジア太平洋地域のリサーチヘッドとして経済、金融の調査を所轄。2016年4月からアジア開発銀行研究所、エコノミストとしてアジアの金融市場、金融政策等の調査、分析に従事。著書に「残る銀行、沈む銀行―金融危機後の構図」東洋経済新報社、「韓国モデルー金融再生の鍵」中公新書。金融審議会委員、財務省「国の債務管理の在り方に関する懇談会」メンバー、公認会計士審査会委員、証券業協会自主規制管理委員会委員を歴任。

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