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快進撃を続けるインド・モディ政権

しばらくはモディ首相のリードのもとでインド経済は好調に維持するだろう

榊原英資

インド政界で例外的存在の現首相

晩餐(ばんさん)会であいさつするインドのモディ首相。右は安倍首相=2016年11月11日午後、首相公邸、代表撮影 拡大晩餐(ばんさん)会であいさつするインドのモディ首相。右は安倍首相=2016年11月11日午後、首相公邸、代表撮影

 インド人民党(BJP)は2014年の総選挙で圧勝し、久々に国民会議派から政権を奪取した。選挙戦をリードしたのは現首相のナレンドラ・モディ。2001年から2014年までインド最大の産業州グジャラートの州首相を務め、その成功を背景にBJPの党首になり、2014年5月26日に第18代首相に就任している。

 清廉潔白であることでも知られており、今でも母親は小さなアパートに住み、兄弟も政府の事務員や小さな小売店の店主をしており家族ぐるみの汚職が大きな問題となっているインド政界では例外的存在だ。そのクリーンなイメージが人気の理由の一つだとされている。英語は流暢(りゅうちょう)に話せるが、外国要人との会議では英語でなくヒンディー語を使い、通訳を介して話すことが多い。

 日本とはグジャラート州知事の時から産業・投資面等で協力しており、何度か来日し、2007年には当時首相だった安倍晋三等と会談している。また、インドに進出しているスズキ自動車の鈴木修会長とも親しく、これらのことから親日家といわれている。

 現在でも、両国の間では毎年首相が交互に相手国を訪問することがルール化されており、2016年にはモディ首相が来日、2017年には安倍首相が訪印することになっている。首脳の訪問は多くの国との間で行われているが、1年ごとの相互訪問がルール化されているのは日印間だけである。

人口3千万人以上ではインドが最も高い成長率

 経済成長率も2014年には7%台に乗せ、2016年まで7%台の成長率を続けている。(2012年5.62%、2013年6.64%、2014年7.24%、2015年7.56%、2016年7.62%、いずれも実質GDPの成長率、2016年の数字はIMFによる2016年10月時点の推計)。

 2014年までは中国の方が成長率が高かったが(1979~2008年の年平均成長率は中国が世界ナンバー1の9.8%、インドはナンバー10の5.8%だった。また、2012年の中国の成長率は7.90%、13年は7.80%、14年は7.30%、15年は6.90%、16年は6.59%、2016年の数字はIMFによる2016年10月時点の推計)、2015年にインドが逆転している。

 現在、人口3千万人以上の大国ではインドが最も高い成長率を達成している。

 2015年から2050年にかけての各国の年平均成長率をプライスウォーターハウス・クーパーズが推計しているが、インドは4.9%と中国の3.4%を大きく上回っている。ちなみに、世界各国の中でインドはナンバー4。インドより成長率が高いのはナイジェリア(5.4%)、ベトナム(5.3%)、バングラデシュ(5.1%)となっている。インドに続くのはフィリピン(4.5%)、インドネシア(4.3%)、パキスタン(4.3%)、そして南アフリカ共和国(4.2%)だ。いずれもアジア・アフリカの国々だ。

2040年代にはアメリカを抜くか

 2050年のPPPベースのGDPについてもプライスウォーターハウス・クーパーズが予測しているが、2050年でのGDPのトップは中国で61兆790億ドル、インドがナンバー2で4兆2205億ドルとされている。

 インドは2040年代にはアメリカを抜いてナンバー2に躍り出ると予測されているのだ。 ・・・続きを読む
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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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