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「トランプ・フィーバーの終焉」が始まった

新政策への期待感が強かっただけにその反動も大きく、市場の歓迎ムードも色あせてきた

榊原英資

トランプ新大統領と市場の反応

ホワイトハウスで行われたNATO事務総長との共同会見で発言するトランプ大統領=ワシントン、ランハム裕子撮影 拡大ホワイトハウスで行われたNATO事務総長との共同会見で発言するトランプ大統領=ワシントン、ランハム裕子撮影

 トランプ大統領は2017年1月20日、大統領に就任している。大幅減税と積極的インフラ投資を約束していることもあり、市場は新大統領の政策を歓迎、ダウ平均は2016年下半期から上昇し、2017年2月には月平均で2万ドルを突破した(2月の終値は2万812.24ドル)。

 円ドルレートもドル高に推移し、2016年11月には1ドル107.62円に上昇し、2017年1月には1ドル114.75円に達した(いずれも月間の平均レート)。

 アメリカの経済成長率も2016年には前年の2.6%から1.6%に低下したが、IMF(国際通貨基金)は2017年には2.3%、18年には2.5%まで上昇すると予測している(IMF「世界経済見通しWEO」、2017年1月)。

 2017年の先進国・地域の平均成長率は1.9%だが、その中でアメリカはスペインとともに最も高い2.3%を達成すると予測されている。ちなみにWEOは日本経済の減速を予測しており、日本の成長率は2016年は0.9%、17年は0.7%、18年は0.8%とされている。2018年にはスペインも減速するとされているので(2.1%)、18年のアメリカの成長率予測2.5%は先進国で最も高いものになっている。

 2016年10月のWEO予測に比べ、2017年1月の予測はアメリカについて2017年は0.1%、18年は0.4%上方修正している。少なくとも2017年1月の時点ではIMFはトランプ新大統領の政策がかなりの効果をもたらし、アメリカ経済を押し上げていくとしていたのだ。

低下し始めた支持率

 ただトランプ新大統領の支持率は低く、就任直後でも45%と過去最低だった。新大統領の支持率が就任直後50%を下回るのは初めてのことだという。これまで最も低かったのはブッシュ父大統領とレーガン大統領の51%だった。トランプ大統領の不支持率は45%と支持率は同レベルの数字だった。男性・白人・高齢者などの支持率は高かったのだが、女性やアフリカ系・スペイン系国民の支持率が低かったのだ。

 しかもトランプ大統領の支持率は次第に低下してきており、3月21日には37%まで低下し、不支持率58%を大きく下回ったのだった。就任時の支持率はそれほど高くなかったが、市場は就任を歓迎し、前述したようにダウ平均は上昇し、ドルも対円等で強含んだのだった。しかしこの市場の歓迎ムードもこのところ翳(かげ)りが生じ始めている。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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