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日本は堂々と「TPP11」を進めよう

日本政府の中の、アメリカの機嫌を損なうことを何よりも恐れる人たちへ

山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

残念な日本政府の行動

米ホワイトハウスで1月23日、署名した環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱するための大統領令を見せるトランプ大統領=ロイター 拡大米ホワイトハウスで1月23日、署名した環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱するための大統領令を見せるトランプ大統領=ロイター

 日本政府はアメリカ抜きの環太平洋経済連携協定(TPP、11カ国が参加するので〝TPP11〟と称している)を推進することを決断したと報道されている。このWEBRONZAで昨年夏以降、私がたびたび主張したことが、ようやく政府部内でもコンセンサスになったようだ。

  しかし、これに至るまでの政府の行動には残念なことがある。

 まず、アメリカ抜きのTPPという私の提案に対して、アメリカが参加しないTPPは意味がないとか、アメリカ市場へのアクセスを条件に他の分野での譲歩に応じた国は再交渉を求めることとなるとか、やりたくないための理由を並べ立てたことである。

 最初のうちは、真剣に検討しようという態度は見られなかった。また、このような政府の対応におうむ返しのように同調する学者や研究者がいた(これについては過去に反論しているので、ここでは繰り返さない)。

なぜ態度を変更したのか?

 おそらく潮目が変わったのは、トランプ政権になって、TPPからアメリカは脱退し、日本に二国間の自由貿易協定(日米FTA)締結の交渉を求めるというスタンスが明らかになったときからだろう。

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筆者

山下一仁

山下一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

1955年岡山県笠岡市生まれ。77年東京大学法学部卒業、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。10年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。「フードセキュリティ」「農協の大罪」「農業ビッグバンの経済学」「企業の知恵が農業革新に挑む」「亡国農政の終焉」など著書多数。

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