メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

最も重要なのに議論されていないヒアリ対策とは

日本は過去の過ちを繰り返してはならない

山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

議論されていない効果的な対策

ヒアリ対策で殺虫エサを設置する市職員=釧路市の釧路西港  

拡大ヒアリ対策で殺虫エサを設置する市職員=釧路市の釧路西港

 ヒアリの侵入が大きな問題となっている。ホームセンターでは、アリの防除剤が大量に買われている。ヒアリではないアリたちにとって大変な災難だが、多くの国民が脅威を感じているのである。

 しかし、ヒアリの侵入や蔓延(まんえん)に対する対策には決め手はないようである。

 NHKの日曜討論で、ヒアリの生態に詳しい昆虫学者、物流の専門家などの人達が討論していたが、入ってくるのは防ぎようがないとか、入られてしまうとコンテナは各地に送られるのでヒアリの拡散はしかたないとか、否定的な議論ばかりが聞こえ、専門家同士の間で自分の分野では手におえないからあなたの所管だといった消極的な権限争い(責任の押しつけ合い)をしているかのような印象を受けた。

 また、政府でも、水際で食い止めることが重要だとして、中国等からの貨物船の運航が多い68の港湾でアスファルトの割れ目を埋めて、ヒアリが巣を作らないようにするといった原始的な対策が講じられているにすぎない。

 私は、このような対策や議論を聴いて、最も重要で効果的な対策が検討もされていないのではないかと感じる。

・・・続きを読む
(残り:約1116文字/本文:約1603文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
デモクラシーやJournalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

山下一仁

山下一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

1955年岡山県笠岡市生まれ。77年東京大学法学部卒業、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。10年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。「フードセキュリティ」「農協の大罪」「農業ビッグバンの経済学」「企業の知恵が農業革新に挑む」「亡国農政の終焉」など著書多数。

山下一仁の新着記事

もっと見る