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安倍首相の信頼が厚い黒田総裁

記者会見する日本銀行の黒田東彦総裁拡大記者会見する日本銀行の黒田東彦総裁

 政府は2月16日、日本銀行の黒田東彦総裁の再任と、雨宮正佳・若田部昌澄両氏の副総裁就任の人事案を提示した。政府は3月中旬までの衆参両院での採決を目指している。安倍晋三首相の黒田総裁に対する信頼は厚く、いわゆる「アベノミクス」を支えた総裁の再任を決定したのだった。

 黒田総裁は2013年3月の就任直後から「異次元金融緩和」と呼ばれた積極的金融緩和政策を進め、円高を是正し、株価を大幅に上昇させたのだった。まさに、アベノミクスの柱は総裁による積極的金融政策だったのだ。

 第2次世界大戦後2期目を務めた総裁は2人しかいない。一万田尚登元総裁と山際道元総裁だ。ただ、2人とも2期10年をフルに務めた訳ではなく、8年目に勇退している。今回、黒田総裁が再任後、10年務めると戦後最長になるのだが、前任者たちにならって8年前後で勇退する可能性があるのかもしれない。

副総裁人事

 副総裁は日本銀行から雨宮正佳理事と早稲田大学の若田部昌澄教授。雨宮正佳理事は黒田総裁を日銀プロパーの側からしっかり支えてきた日銀エース。1979年に日銀に入行し、金融市場課長・企画第一課長・企画局長等の要職を歴任している。現在は理事として企画局・金融市場局を担当し、黒田総裁を力強く支えている。黒田総裁の信頼も厚く、中曽宏現副総裁に変って副総裁に就任したという訳なのだ。

 従来、日本銀行総裁は財務者出身者と日本銀行出身者が交互に就任することが多かった。23代総裁は森永貞一郎元大蔵事務次官(1974~79年)、24代総裁は日銀出身の前川春雄氏(1979~84年)、25代総裁は澄田智元大蔵事務次官(1984~89年)、26代総裁は日銀出身の三重野康氏(1989~94年)。27代総裁は元大蔵事務次官の松下康雄氏(1994~99年)、28代総裁は日銀出身の速水優氏といった具合だ。

 もし今回のこのパターンが踏襲されれば、黒田総裁の後任は雨宮正佳新副総裁ということになる。雨宮副総裁は日銀内でも財務省でも評判がいい。黒田総裁を継いで総裁に就任する可能性はかなり高いのではないだろうか。 ・・・続きを読む
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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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