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ももいろクローバーをめぐって村上隆が罵倒された「事件」からサブカルvsオタクを考える

鈴木京一 朝日新聞文化くらし編集部ラジオ・テレビ担当部長

 ネットの世界では何を今更、の話になってしまうが、今年3月、アイドルグループ「ももいろクローバー」をめぐり、アーティストの村上隆がアイドルファンから罵倒される、という出来事があった。発端は、村上が自らが主催するイベント「GEISAI」にももクロを招くことを決めたこと。その直後、最近ではアイドル論壇誌と化している雑誌「BUBKA」による、吉田豪らが出演するインターネット放送「豪STREAM」でこの話題が取り上げられた。

ももいろクローバーZ(ももクロは、4月にメンバーが一人脱退して「ももいろクローバーZ」に改名)

 同誌の常連寄稿者でもあるミュージシャンのロマン優光が、村上の仕事を「(オタクコンテンツの)搾取と言われても仕方ない」「汚いマネーメイキング」「アート豚」などと罵り、ももクロ招聘を批判した。私はたまたま見ていたのだが、罵倒に対しツイッターで村上が「すみません」とシオシオになるところは面白かった。

 翌日、東京・立川のショッピングセンター屋上でももクロのイベントが控えていたことから、ロマンは「立川に並べ!」と村上を挑発した。村上は立川に登場、ロマンとの邂逅が実現した(経緯は「BUBUKA」5月号で読める。村上側からのまとめはhttp://ameblo.jp/geisai-net/entry-10821877245.htmlに。GEISAIは東日本大震災の影響で中止となった)。

 アイドルが売れ出すと、「サブカル」「アート」方面からお声がかかるのはしばしば見られることだ。ももクロの前例となるのはPerfumeだろう。秋葉原の路上で歌っていた彼女たちだが、「ポリリズム」のヒットに前後して、「クイックジャパン」や「ミュージックマガジン」に登場する。ももクロもすでに「クイックジャパン」で特集されたし、「スタジオボイス」はももクロ特集のフリーペーパーを発行している。で、屈託を見せるのはオタク側だ。

 「豪STREAM」では「おしゃブカル」という言葉がよく使われる。「おしゃれなサブカル」に対する侮蔑語といっていいだろう。つい最近俎上に載せられたのは

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