2012年06月14日
とにかくふたりとも顔がまったく変わっていたのだ。しかも高橋に関しては眉毛などを抜いた可能性があると指摘されているが、菊地に関してははっきりとした証拠はないものの、整形ではないと専門家が発表していた。
ここで気になるのが、これまでの犯罪者の顔についてだ。1982年の松山ホステス殺害事件の福田和子は、およそ15年に渡る逃走劇の末、1997年に逮捕された。彼女は東京都内の病院で整形手術を受けていたというが、整形前の写真と捕まったときの写真を見て、「まるで別人みたい!」と感じた人はほとんどいなかったと記憶している。
写真を今になってネットで検索して比べてみても、髪型もまったく違うし、加齢によって顔の輪郭なども変わっているにもかかわらず、写真から「私こそが福田和子だ」とでもいいたげな存在感が漂ってくる。彼女をモデルにした映画のタイトルが「顔」だったのも納得だ。
和子のほかにもう一人、2007年に犯した英会話学校講師殺害事件で2009年に逮捕された市橋達也もまた、どんなに整形によって手を加えても、その存在感を消すことをできなかった顔を持っていた。
市橋は名古屋の美容形成外科で一重まぶたを二重に、鼻を高くして下唇を薄くしたと言われているが、実はその前にも整形をした形跡があったと病院側は語っている。だが、捕まった市橋は、パーカーのフードを目深に被っていて、鼻の下から口元までしか露わになっていなかったにもかかわらず、見ている私たちには「市橋」そのものだった。
逃走犯ではないが、木嶋佳苗についても、その顔を振り返ってみたい。
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