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●●●●●、●●●●・●●●●書店=●月●日、筆者撮影拡大撮影・筆者
 大手書店では『アナと雪の女王』コーナーが設けられ、ディズニー公認の絵本・ヴィジュアルブック・ノベライズ本などが山と積まれている。

 しかし、数軒回ってみたが「原案」とされている『アンデルセン童話集』を並べて売っている店舗はなかった。宮崎駿監督作品『風立ちぬ』(2013年)公開時に堀越二郎と堀辰雄の著作が関連書籍コーナーに積まれていた風景とは対照的であり、何とも不思議な印象を持った。

重苦しい『氷姫』と『雪だるま』のイメージ

 実は、『アナと雪の女王』を彷彿とさせるアンデルセンの童話は『雪の女王』だけではない。

 『雪の女王』から17年後の1861年に書かれた『氷姫(THE ICE MAIDEN)』と『雪だるま(THE SNOWMAN)』の2作品である。

 『氷姫』は次のような中編である。

 スイス高山地帯の小さな村の少年ルーディは、満1歳で両親と死別する。先に父が死に、母は帰省途中にルーディを抱いたまま氷河の裂目に落ちて死ぬ。氷河の底には氷姫の宮殿があった。姫はルーディにキスをして死の世界へ引き込もうとするが、引き上げられたルーディは奇跡的に生還する。

 ルーディは動物たちと厳しい自然の中で育ち、やがて漁師の家に引き取られる。しかし、間もなく義父は雪崩で頭部をもがれて死に、ルーディが家の主となる。その間、氷姫は何度も手下の「めまい」に命じてルーディ奪還を試みるが、その生命力と勇気に退けられる。

 立派な青年漁師に成長したルーディは、裕福な水車屋の娘バベットに恋をする。当初は父親の反対にあうが、ルーディの勇気に免じて二人は相思相愛となる。しかし、バベットはルーディの気を惹こうといたずら心でイギリス人の親戚の青年に気のある素振りをする。嫉妬にかられたルーディは、バベットを罵倒して雪山へ逃れる。そこで氷姫に婚約指輪を奪われ、殺されそうになるが今度も生還。結局二人は後悔して互いに謝罪、復縁する。

 結婚式の前日。二人はボートに乗り、小さな島で夕日のデートを楽しみ、共に幸福の絶頂だと実感する。その直後、 ・・・続きを読む
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筆者

叶精二

叶精二(かのう・せいじ) 映像研究家、早稲田大学・亜細亜大学・東京工学院講師

映像研究家。早稲田大学・亜細亜大学・大正大学・東京工学院講師。高畑勲・宮崎駿作品研究所代表。著書に『日本のアニメーションを築いた人々』(若草書房)、『宮崎駿全書』(フィルムアート社)、「『アナと雪の女王』の光と影」(七つ森書館)、共著に『王と鳥 スタジオジブリの原点』(大月書店)など。

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