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アイドルに握手会は必要なのか?――握手のスキルを高めたその先は……

鈴木京一 朝日新聞読書推進事務局長

 アイドルのライブはかなり見ている方だが、ステージが楽しければ満足だし、特にハロー!プロジェクトは握手するファンを物理的に動かす「はがし」がきついので、握手会にはめったに参加しない。「感謝を伝えるんですよ!」と知り合いは言うのだが、コンマ数秒間で何を話せるのか。

 今回のAKB48メンバーに対する傷害事件は、握手会だから起きた事件、とは言えないだろう。ただ、アイドルは何のために握手をするのか、アイドルにとって握手は必然なのか、とは思う。

 アイドルウォッチャーとしてはベテランの北川昌弘は共著『山口百恵→AKB48 ア・イ・ド・ル論』で「AKB48はもはやアイドルではない」と書いている。40年来アイドルを見続けている彼にとっては、テレビをはじめとしたマスメディアで活躍する者こそアイドルであり、簡単に「会いに行ける」のはアイドルとはいえないからだ。

休館を知らせる掲示が出されたAKB48劇場=26日拡大事件後、休館したAKB48劇場=2014年5月26日
 かつてもアイドルの握手会はあったが、ミニライブ等に付随するもので、会場もショッピングセンターやCDショップの一角だった。現在も多くはこの形だ。AKBのように、握手のためにパシフィコ横浜や幕張メッセのような大規模会場を借り切るようなアイドルはなかった。

 AKBは当初から常設の劇場公演での「会いに行けるアイドル」を標榜していた。劇場公演を観覧しにくくなった今、CDさえ買えば「会いに行ける」場所である握手会が生命線となっている。

 最近では、以前は握手会にはそれほど力を入れなかったモーニング娘も、頻繁に開いている。シングル5作連続1位などの「V字回復」にはこれらの施策の効果も大きい。一方で、握手会などのイベントの連続による、メンバーの疲弊を危惧する声も聞かれる。

 問題は、何のために握手するのか、だ。 ・・・続きを読む
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筆者

鈴木京一

鈴木京一(すずき・きょういち) 朝日新聞読書推進事務局長

1963年生まれ。東京大学教養学部卒。1987年、朝日新聞社入社。東京と大阪の旧学芸部や文化グループで、主に論壇関係の取材記者や編集者をしてきた。2011年2月から読書編集長。現在、文化くらし報道部・読書推進事務局長。女性アイドルのライブ見物が20年来の趣味。好物は「ハロー!プロジェクト」。

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