メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

アニメーション世界興行収入歴代ベスト5の比較拡大アニメーション世界興行収入歴代ベスト5の比較

近年のディズニー/ピクサー制作作品の興行収入比較拡大近年のディズニー/ピクサー製作作品の興行収入比較
   『アナと雪の女王』の週間興行成績の連続1位記録が、ついに途絶えた。

 1位は先週末公開のディズニー新作『マレフィセント』、2位は日本のSF小説が原作の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、『アナと雪の女王』は3位に後退した。しかし、動員は先々週とほぼ同じ水準を維持しており、未だその底力は衰えてはいない。

日本の大ヒットがなければ『アナと雪の女王』の記録更新はなかった

 ウォルト・ディズニー・ジャパンによると、『アナと雪の女王』は40数カ国語に翻訳され、50カ国で配給されたという。世界各国で大ヒットを記録したが、日本での歴史的成功が大きな鍵となったことは間違いない。

 『アナと雪の女王』は、アニメーション作品の世界興収歴代1位となった。しかし、全米興行に限れば歴代4位であり、『シュレック2』『ライオン・キング』『トイ・ストーリー3』のベスト3を下回っている。大ヒットには違いなかったのだが、歴史を塗り替えるほど支持されたわけではない。

 一方、日本の興行収入は246億円を突破し、国内で公開された洋画の観客動員記録では1位となった。日本の興行が世界興行に占める割合は約19%。総計1267億円を数える世界興行収入総計のうち、本国アメリカの400億円と日本の246億円だけで5割を超える。これは驚異的な数値と言わねばなるまい。

 『アナと雪の女王』は、実写映画を含む全ての映画の歴代世界興行収入ランキングで現在5位。日本興行が63億円以下で終われば、10位以内には入れなかった。また、日本興行が43億円以下であれば、『トイ・ストーリー3』の記録すら抜くことは出来なかった。「アニメーション歴代1位」の栄冠は日本興行の成果であった。

 表1と2から明かなように、従来のディズニー/ピクサー作品の日本興行は、どれほど支持されても世界興収の10%前後、全米興収の3分の1程度であった。『アナと雪の女王』の数値だけが異常に突出している。

 この表には、もう一つ異常な数値が確認出来る。『メリダとおそろしの森』(2012年)の日本興行の異常な低調である。アメリカでは大ヒットを記録したが、日本興行はピクサー作品で初めて10億円を下回る惨敗に終わった。公開前の配給会社の目算では50億円前後を見込んでいたという。

 日本の観客の圧倒的支持を集めた『アナと雪の女王』と、圧倒的不支持に終わった『メリダとおそろしの森』。実はこの2作品には共通項が多い。

『メリダとおそろしの森』と『アナと雪の女王』の類似点 ・・・続きを読む
(残り:約1802文字/本文:約2859文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
デモクラシーやJournalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

叶精二

叶精二(かのう・せいじ) 映像研究家、早稲田大学・亜細亜大学・東京工学院講師

映像研究家。早稲田大学・亜細亜大学・大正大学・東京工学院講師。高畑勲・宮崎駿作品研究所代表。著書に『日本のアニメーションを築いた人々』(若草書房)、『宮崎駿全書』(フィルムアート社)、「『アナと雪の女王』の光と影」(七つ森書館)、共著に『王と鳥 スタジオジブリの原点』(大月書店)など。

叶精二の新着記事

もっと見る