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草笛光子80歳、白髪で開脚で、ブーム、ぜったい来てます。

矢部万紀子 コラムニスト

 草笛光子という80歳、今年81歳になる女優のブームが来ていると私が確信したのは、少し前で恐縮だが、5月4日日曜正午、フジテレビの「ウチくる!?」にゲストとして出演した彼女を見たときだった。

 中山秀征と中川しょこたんが司会、毎回ひとりゲストを招いてのトーク番組。「ウチくる」と銘打ってはいるが、「!?」がポイントで、ゲストの家に行くことは決してない。行きつけ(だとされる)食べ物屋さんを3軒ほど回り、あれこれトークする。それだけ。草笛さんはその日、生まれ育った横浜と現在の住まいの近くだろうか、世田谷の店に足を運んだ。

草笛光子拡大草笛光子さん
 そこに出ただけで、なぜ「草笛ブーム」とまで認定したのか。

 この番組は、実は「ゲストが何かを宣伝する」番組である。若い頃の思い出話や「ゲストの素顔」も語られる。

 だが最終目的は、舞台だったり映画だったり新曲だったり新番組だったりの宣伝だ。草笛さんも、5月末に幕が上がる舞台「6週間のダンスレッスン」が前提だった。

 すごくないですか? 

 世の中には、舞台も映画も新曲も新番組もあふれているのですよ。そんな中、草笛さんが主演舞台を宣伝する権利を得たわけです。80歳ですよ。帯番組を持っている黒柳徹子さんを別とすれば、「中心」に来る80歳ってそうはいない。

 すごい草笛さん、やっぱりブームだ! そう確信した次第。

 2011年からシニア女性誌の編集長というのをしている。それまで新聞社で週刊誌や書籍を作っていたから、まあ大雑把に分けるなら男っぽい世界に生きていた。

 それが一転、女性誌の世界に移ったので、「へー、そうだったのかー」なことがいろいろあった。

 転職して驚いたひとつに、「うちの読者の人気ナンバーワン女優」として草笛光子さんの名前があがったことだった。

 我が雑誌で圧倒的人気なのは日野原重明先生で、ほかに姜尚中さんも人気。これは大変わかりやすい。ふたりの共通項は「非マッチョ」。シニア女性はマッチョ男が嫌い。正しい。

 では女性の中で誰が読者に人気なのだろうとなったとき、草笛さんの名前があがったのは正直、意外だった。

 我が雑誌は書店で売らず、読者に直販しているので、けっこう読者の声が聴ける。吉永小百合さん、岸惠子さんのインタビューより、草笛さんのインタビューの方が熱心に読まれたというデータもあったりした。すごくないですか?

 若かりし日の「光子の窓」は「一般教養の部」で知っていたし、最近では「相棒」(テレビ朝日)で草笛さんが犯人役を演じた「ミス・グリーンの秘密」はよい作品だと思っているし、何度も再放送されているところをみると、そう思っているのは私だけではないのだろう。

 だが正直に言うと、「一番手」という印象はもっていなかった。

 そんな草笛人気が、「意外」から「納得」に変わったのは、編集長に就任して半年余りたち、ある読者と直接話をしたときだった。その60代の女性は、好きな女優として草笛さんの名前をあげ、こう言ったのだ。 ・・・続きを読む
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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長。

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