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 3D版ドラえもん『STAND BY ME ドラえもん』の勢いが止まらない。劇場版のドラえもんは毎年春休みに公開されているが、今回の3D版はそれを遥かに上回る興行収入を挙げており、この週末にも興収が50億円(約400万人強)を超えそうだ。

 今、街にはドラえもんが溢れている。

 3D版映画の広告も見るが、タイアップ広告も多い。交通広告などで目についたのは、TOTO、Nikon、森ビル(虎ノ門ヒルズ)、朝日新聞社など。朝日は「朝日新聞の朝刊で、愛する人にプロポーズしませんか?」というもので、3D版の上映前にCMが流れる。当たると朝刊の1ページ広告で告白ができるらしい。

虎ノ門ヒルズのドラえもんとトラのもん拡大ドラえもん(右)とトラのもん=東京・虎ノ門ヒルズ、撮影・筆者
 パンフによると、ドラえもんの漫画連載が小学館の「小学○年生」で始まったのが1970年で、アニメがテレビ朝日系で放映されたのは1979年から。

 それ以降、現在に至るまで毎週アニメが放映されており、映画版も1980年から(2005年の声優の交代期を除いて)毎年春休みに公開され、最近は興収20億円から40億円と安定した数字を出している。

 たぶん日本のアニメとしては「サザエさん」に次ぐ長寿ぶりだが、「サザエさん」は劇場版アニメはない(実写の単発映画やテレビ放送はある)。

 国民的ヒーローとしては、ドラえもんを超える存在はないのではないだろうか。

 海外でも東アジアを中心に30か国以上で放映されているし、今年は米国でも放映が始まったというニュースがあった。いったいドラえもんの何が日本人やアジアの人々の心をとらえるのか。

 正直に言うと、1961年生まれの筆者は「藤子不二雄」だと、ドラえもんよりも、むしろその前の『おばけのQ太郎』や『パーマン』などの方が馴染みが深い。あるいは『巨人の星』や『あしたのジョー』などのスポ根劇画アニメに思い入れがある。

 しかしそれらは今や影が薄く、ドラえもんだけが完全に定着している感じがする。同世代の友人にも『小学○年生』からのファンで、コミックを全巻揃えている者もいた。つまり今の50代半ば以下はみんなドラえもん世代なのだ。

STAND BY ME ドラえもん=提供・東宝拡大『STAND BY ME ドラえもん』(提供・東宝)
 今回3D版を見に行って驚いたのは、 ・・・続きを読む
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筆者

古賀太

古賀太(こが・ふとし) 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

1961年生まれ。国際交流基金勤務後、朝日新聞社の文化事業部企画委員や文化部記者を経て、2009年より日本大学芸術学部映画学科教授。専門は映画史と映画ビジネス。訳書に『魔術師メリエス――映画の世紀を開いたわが祖父の生涯』(マドレーヌ・マルテット=メリエス著、フィルムアート社)、共著に『日本映画史叢書15 日本映画の誕生』(岩本憲児編、森話社)など。個人ブログ「そして、人生も映画も続く」をほぼ毎日更新中。http://images2.cocolog-nifty.com/

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