2015年01月07日
2008年のサブプライム金融商品に端を発した金融バブルの破裂は、別に驚くべきことじゃなかった。
なぜか?
それが資本主義の本質だから。
When a bellboy pops in, you get out.
ベル・ボーイ(そこいらへんの低収入の人、という意味で使われている)みたいなのまで参入するようになったら、市場から逃げ出せ。
ウォール・ストリートの金言である。
残念なことに、ほとんどのその道のプロは、自分自身でこの金言を実行できていない。
なぜか?
欲望はその属性として、欲望を欲望する(Desire Desires Desire.)からである。
わたしがマカオで楽しくお金を稼いでいたその日(2008年10月10日)、日本の中堅生保である大和生命が東京地裁に会社更生特例法の適用を申請した。
わたしは「出張」の際にはPCを持ち歩かない主義なのだが、マカオの大手カジノ・ホテルというのは、およそ30カ国から50紙くらいの主要新聞が用意されてあり、そのうちの数紙をわたしの部屋に置いておいてくれる。
わたしが宿泊すると、居間のコーヒー・テーブルには頼んだ覚えもないのに、広東語紙と地元英字紙、ニューヨーク・タイムズにジ・オーストラリアン、朝日新聞と日経新聞の6紙が、いつも置かれてある。
大和生命破綻を報じる日本の新聞には、
「毎月積み立てた保険金を遣って勝手にギャンブルし、それに負けたからって、契約者が尻拭いをしなければならないのか」
といった意味のコメントが載っていた。
こういったアホなコメントを掲載するのはいかにも、日本の新聞だな、とわたしはしみじみ感じた。
確かに、こういったコメントを発した人は居たのだろう。しかし、
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