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[3]小谷野敦『ヌエのいた家』に癒やされた

芥川賞落選作品だけど、又吉直樹『火花』よりだんぜん面白い

青木るえか

 又吉直樹さんの『火花』について書いたらたくさんの人が読んでくださったそうで、やはり世間の人は文学や芥川賞に興味があるんだなと思い、続けて芥川賞関連の話を書く(と、書いたけれど、人は文学にも芥川賞にも興味はない。人々は、「又吉さんが芥川賞を取った」ことに興味があるだけだ。それだって、又吉さんが、ではなくて有名人が別ジャンルで何かしでかしたということに人が群がるということだ。克美しげるが殺人で逮捕されて大騒ぎというのと構造は同じ)。

 小谷野敦の『ヌエのいた家』について。

小谷野敦さん拡大小谷野敦さん
 芥川賞にノミネートされて落っこちた作品である(2015年1月)。ああ、又吉さんの話をたくさんの人が読んでくれたというのに、小谷野敦芥川賞落選作品では一挙に読んでくれる人も減るのであろうなあ。

 ただし小説として『火花』より『ヌエのいた家』のほうがだんぜん面白い。でも世間は「小谷野敦の『ヌエのいた家』」では食いついてくれないのである。

 又吉さんが芸能人として、そのへんにいる人とは違うのと同様、小谷野さんという人も、 ・・・続きを読む
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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

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