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[5]排卵日に射精しなければならないという焦り

横田由美子 ジャーナリスト

 さらに事態を複雑化させているのは、若者が「草食化」していることだと指摘する医師もいる。

 それでなくとも、日本人は世界で「最もセックスレス夫婦が多い国民」と言われている。

 これは、米国などと違って、「夫婦間の性交渉の有無が、離婚の理由や慰謝料請求の対象にならないこと」が根幹にあるのではという意見もあれば、夫婦間のコミュニケーションに対する考え方の違いだという声もある。

拡大日本人は「最もセックスレス夫婦が多い国民」と言われるが……(本文とは関係ありません。写真の一部を加工してあります)

6年間交際して結婚したが…

 サキさん(34)夫婦の場合、5年間の彷徨の末、結局、「離婚」という最悪の結末を迎えてしまった。

 夫は大学時代の同級生だった。格好良くて、性格も穏やかな優しい人。

 2年間にわたる片思いの末、卒業後に「お付き合い」が始まった。

 彼は東京の金融機関に就職。比較的転勤が多く、「20代のほとんどは地方にいて、遠距離(恋愛)でした」と、サキさんは振り返る。

 結婚するまでの6年間、デートは月に一度か二度だったが、その頃は会えば、ごく普通に性交渉を持っていたという。

 サキさんの方から、「そろそろ子どもも欲しいし、両親を安心させてあげたい」と、押し切る形で結婚したのが28歳の時だ。

 やはり金融関係の仕事に就いていたが、キャリアに対してそれほど強い思い入れはなく、むしろ早く大好きな彼と結婚して家庭を持ちたかった。当初、彼は煮え切らない様子だったが、最終的には「決断」してくれたように見えた。

 「思えば、彼にとってはプレッシャーだったのかもしれません。責任感の強い人だったので、5年以上もつきあって、『結婚を断る』という選択肢はなかったと思います。私は彼が好きで仕方なかったけど、彼には私ほどの強い愛情はなかった。そういうことだと思います」

 と言って、目を伏せた。

「子づくりのためのセックス」

 式当日、彼は泥酔してホテルの部屋に戻ってきた。

 「初夜」はなかったが、念願叶ったサキさんにとっては、大したことではなかった。この先はずっと一緒に居られる。いつでも機会はある。そう軽く考えていた。

 「先輩や同僚から、お祝いの飲み会に誘われている」、「仕事先の接待で遅くなる」と、連絡は頻繁に入るが、彼の帰りは新婚1カ月を過ぎても午前様が続いた。土日は、取引先とのゴルフ。

 気がついたら、入籍後の3カ月間、一度も関係を持っていなかった。

 思い切ってサキさんから切り出すと、 ・・・続きを読む
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筆者

横田由美子

横田由美子(よこた・ゆみこ) ジャーナリスト

1996年、青山学院大学卒。雑誌、新聞等で政界や官界をテーマにした記事を執筆、講演している。2009年4月~10年2月まで「ニュースの深層」サブキャスター。著書に『ヒラリーをさがせ!』(文春新書)、『官僚村生活白書』(新潮社)など。IT企業の代表取締役を経て、2015年2月、合同会社マグノリアを設立。代表社員に就任。女性のためのキャリアアップサイト「Mulan」を運営する。

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