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週刊文春、“謹慎”明け新谷学編集長の凄さとは?

イケイケ路線を支える「能力」

山口一臣 朝日新聞東京本社フォーラム事務局

 「週刊文春」(文藝春秋)の勢いが止まらない――。年明け1発目のベッキー&ゲス禁断愛を皮切りに、甘利大臣の口利きスキャンダル、イクメン議員の“ゲス不倫”、そして元少年Aの直撃取材と世間を揺るがすスクープ記事を連発し、ベッキーは謹慎、大臣は辞任、イクメンは議員辞職にまで追い込まれた。

神戸連続児童殺傷事件の元少年Aを直撃した記事(「週刊文春」2016年2月25日号)
 当然、売り上げも絶好調で、年明けからこれまですでに3号が完売、少年A直撃号も消化率75%超というから、週刊誌不況などどこ吹く風といったところだろう。

 業界の事情をよく知らない人から、

 「文春、凄いですね、どうしちゃったんでしょう?」

 などとよく聞かれる。答えは至極単純で、

 「新谷学編集長が現場復帰したからでしょう……」

 ということに尽きる。

 週刊文春は2012年4月に新谷さんが編集長になってからスクープ・イケイケ路線で売ってきた。

 過去、思い出す限りでも、“シャブ&ASKA”の覚せい剤事件、AKB関連の恋愛スクープ、人気ジャニーズアイドルの山下智久“書類送検直前お持ち帰りデート”、プロ野球ジャイアンツの阿部慎之助とアイドル女優・小泉麻耶の不倫疑惑、自民党・武藤貴也議員の未成年買春疑惑などなど、数えだしたらキリがない。

 週刊文春が凄いのは、実は今年に入ってからだけのことではないのである。

3カ月の“休養”中に

 ところがその新谷編集長が、昨年(2015年)10月8日号のグラビアに、当時話題だった春画を載せたことで「編集上の配慮を欠いた点があり、読者の信頼を裏切ることになった」として、会社から3カ月の“休養”を命じられた。事実上の“謹慎”だ。

 その謹慎が明けたのが今年1月で、ベッキー&ゲスの禁断愛は、まさにその復帰第1号だったわけだ。

 出版界には「雑誌は編集長のもの」という言葉がある。編集長が代わると誌面がこうも違うのかと思うほどガラリと変わる。

 それは残酷なほど成績(部数)にも反映される。新谷編集長不在の3カ月間の週刊文春は、残念ながら鳴かず飛ばずだった。

 では、新谷さんのどこが凄いのか

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