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女性が最も生きづらさを感じることとは?

第1回「女性の『自分らしさ』と『生きやすさ』を考えるクロストーク」リポート

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 参加申込みの際に頂いた65名分のアンケートで、「仕事の場とそれ以外の場(学校・家庭・地域など )で、「女性が抱える生きづらさ」を最も感じていることはなんですか?」と質問したところ、以下のような順位となりました。

アンケート拡大アンケート集計結果

低い女性管理職比率

 1位を獲得したのは、政治家の女性比率や企業の女性管理職比率の問題。ILO(国際労働機関)の調査(2015年1月)によると、日本の女性管理職比率は調査対象108カ国中96位と、韓国やアラブ諸国と並んで、底辺争いを繰り広げています。

 女性活躍推進を政権の柱に据えた政府も、女性管理職比率に関する目標を掲げましたが、あくまで努力目標に過ぎません。

 さらに途中で目標数値を早々と引き下げるなど、女性活躍推進が「名ばかりスローガン」になっていることに対して不信感を抱いている人も多かったのだと考えられます。

 とりわけ2016年2月末より「保育園落ちた日本死ね」のブログが世間を騒がせましたが、安倍首相が「匿名である以上、実際本当に起こっているか、確認しようがない」と発言し、与党の議員からも「誰が書いたんだよ!」と野次があがるなど、明らかに一般的な働く女性の感覚からは大きくかい離している様子を露呈してしまい、大きな批判を受けました。

 このニュースから、男性中心に意思決定される政治がいかに問題かということを、改めて感じた人も多かったのではないでしょうか。

「保育園落ちた日本死ね」現象と政治家の甘い認識――一人あたり子育て費用3億円の少子化促進国(WEBRONZA)
「保育園落ちた日本死ね」、その時男性は?――待機児童増加の陰にイクメンの姿あり(WEBRONZA)

マスメディアにおける女性蔑視

 2位には男性中心のマスメディアにおける女性蔑視の問題がランクインしました。

 欧米では女性蔑視と見なされるような発言、女性をお飾りのように扱うこと、女性の尊厳を傷付けるようなことが笑いのネタとして扱われることが、日本のメディアの中では日常茶飯事に存在している現状があります。それを見ている多くの女性も女性蔑視的価値観を刷り込まれて、疑わない人も多いのではないでしょうか。

 また、メディアにいる人たちの中にはこうした現状に疑問を持っていたとしても、男性社会で何とか生き延びていくために意見を言えず、迎合する発言しかできない人もたくさんいるのでしょう。

 職場などでもそのようなメディアの影響を受けてか、同様の女性蔑視の言動・ノリが流布されている環境もあり、声をあげること自体が空気を乱すこととされてしまう強い同調圧力の中で、我慢を強いられている人も多いように思います。

無くならない性犯罪

 3位には性犯罪の問題がランクイン。女性が被害を受ける犯罪全般が軽く扱われている風潮があるのも原因ですが、性的な被害を人前で話したり相談がしづらいという社会の雰囲気も、事態をさらに悪化させ、泣き寝入りしてしまう人を増やしていると考えられます。

 なお、あえて質問に「痴漢を含む」という表現を入れたのは、痴漢が性犯罪だという認識を持っていない女性がかなりいるという調査が出ているからです。それほど悪い意味で痴漢は当たり前になってしまっています。8位に入った二次被害の問題を含めて、女性の身体が軽んじられていることの裏返しであると言えるでしょう。

第1回拡大参加者の方々と活発な意見交換がおこなわれた第1回イベント=2016年3月19日、朝日新聞メディアラボ渋谷分室
 イベントには女性だけでなく、男性の参加者にもたくさんお越しいただきました。

 高校・大学と女性が多い環境で育ったという男性の参加者からは、労働時間をたくさん使ったマッチョな働き方に疑問を持っているとの声があがりました。今だからできるものの、結婚して子供ができた時に同じような働き方は続けられないと危惧しているそうです。

 以前私も「保育園落ちた死ね、その時男性は?」という記事を書きましたが、待機児童問題をはじめとする様々な社会問題は、決して女性だけの問題ではないのです。

 なお、このクロストークは半分以上の時間を来場者の発言にも当てましたが、様々な生きづらさについてご自身の具体的なエピソードを交えながらお話しされた方もたくさんいらっしゃいました。

 そのおかげもあって、同じようなモヤモヤを感じている人を身近に感じることができ、少しだけホッとしたという感想を頂戴して、ささやかながら嬉しく思います。

第2回テーマは「これからの夫婦のあり方とカップル文化について」

 初回は多岐にわたる論点を「見える化」することが目的でしたが、今後は論点を絞って個々の問題を掘り下げて行く予定です。

 ということで、第2回は4月24日(日)に開催致します。今度のテーマは「これからの夫婦のあり方とカップル文化について考えよう」です。

 乙武洋匡氏や宮崎謙介元議員の不倫に対して被害者であるはずの妻が謝罪した問題、ベッキー氏と川谷絵音氏の不倫で女性であるベッキー氏だけが芸能活動を休業に追い込まれていること、また昨年は夫婦別姓の否決や「モラハラ」が流行語大賞の候補にノミネートされるなど、近年、夫婦・カップルにおける男女不平等の問題がニュースを騒がせています。

乙武洋匡氏の不倫に見る日本型結婚の闇(上)(中)(下) (WEBRONZA)

 上記のアンケートでも「対等なカップル・夫婦関係を築ける人がいない」と回答した方がおよそ半数にのぼりました。

 やはり、今の時代に生きる女性の「自分らしさ」と「生きやすさ」を実現するためには、夫婦のあり方やカップル文化を時代に合ったフェアなものへアップデートすることが必須ではないでしょうか?

 前回に引き続き参加費は無料で、かつお席に限りがございますので、どうかお早めにお申込みくださいませ。一緒にトークできることを心よりお待ち申し上げております。


筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、男女関係論、教育論など。女性の活躍を目指す企業の経営を支援する株式会社「リプロエージェント」の代表取締役CEOも務める。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。ブログは 『勝部元気のラブフェミ論』、Twitterは @KTB_genki、Facebookは genki.katsube

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