AV業界にはびこる「ドッキリレイプ」という蛮行
2016年07月13日
AV出演強要問題が世間を騒がせています。弁護士や研究者等を中心に構成される国際人権NGOの「NPO法人ヒューマンライツ・ナウ(以下「HRN」)」がAVの出演強要を指摘した報告書がきっかけとなり、問題が明るみに出ました。
報告書によると、若い女性が「タレントにならない?」「モデルにならない?」などとスカウトされ、その後、AVだと知って断ろうとすると「違約金」を要求して出演を強要されるという被害が相次いでいるとのことです。相談は約3年で72件寄せられているようで、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になってしまう人や、中には自殺までしてしまったという事例もあるとのこと。
これに対して警察も動き出しました。実際に元AV女優が出演を強要されて100本以上に出演をさせられたと訴えたことで、大手プロダクション「マークスジャパン」の社長ら3人が逮捕されるというニュースも報じられています。
他にも、実際に出演を強要されたと告白した元アナウンサーや読者モデルも出てきており、HRNの報告書を裏付けるような証言が相次いでいます。他の支援団体のもとにも続々と被害報告が届いているようで、上記のようなケースはおそらく氷山の一角でしょう。
これに対して、政府も2016年6月2日、内閣府が民間団体から被害状況を聴くなどして、実態の把握につとめたいとする答弁書を閣議決定しました。
一方で、業界のスポークスマン的な役割も果たしている、元AV女優で作家の川奈まり子氏が、AV業界の健全化を図るための団体を設立しました。AV出演者が所属事務所と交わす契約書の統一様式策定などを進めると表明しています。
業界に詳しい方々からは「昔は酷かったが最近はマシになったと思う」という声を聞くのですが、色々と情報収集をしてみますと、やはりまだ人権侵害は無くなっていないように感じるのです。
たとえば、「ドッキリレイプ」もその一つでしょう。
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