車両スペース、台車、ホーム、人件費、座席から考える
2016年09月01日
新しい東京都知事に就任した小池百合子氏は、マニフェストのひとつに「満員電車をゼロへ」を挙げ、その中に、「2階建て通勤電車の導入促進」を打ち出しているという。
「ダブルデッカー」とも呼ばれる2階建て車両は、台車がある両端は平屋、台車間は1階と2階で、そのスペースは4つに分かれている。多くは編成の中間に連結されているのが特徴で、平屋車両に比べ、着席定員が増やせる。
同社が2階建て車両を導入した背景のひとつとして、都内などの土地高騰により、住宅地の外延化が進み、遠距離通勤客が増えたことがある。特に東北・上越新幹線の自由席、普通列車用グリーン車(自由席)は“早い者勝ち”なので、朝ラッシュ時は全員が着席できないほどの乗車率だったため、着席サービスの改善と充実が求められていたのだ。
現在、首都圏の普通列車用グリーン車は、すべて2階建て車両となり、東海道本線、横須賀線、総武快速線などのほか、東北本線、高崎線、湘南新宿ライン、常磐線中距離電車にも波及した。また、中央快速線及び青梅線(東京―大月・青梅間)にも、2020年度に連結される予定だ。
一方、オール2階建て新幹線Maxは、最高速度が240km/hという“鈍足”もあり、現在は上越新幹線列車専任と化している。将来は全廃させる見込みで、見納めになる日はそう遠くないだろう。
小池知事が打ち出している満員電車ゼロの切札が総2階建て車両だ。
その構造は1階と2階を完全に別室にすることで、ホームも2階建てにするというものだ。これにより、乗降用ドアが1階、2階とも設置できるので、混雑緩和及び乗客全員の着席が可能となる。機器類(制御装置など)や空調装置も床下に設置できるので、客室の床面積も2倍に増える。
しかし、
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