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『暮しの手帖』愛読者に『とと姉ちゃん』はダメ

花森安治や大橋鎭子のへんな感じは、朝ドラにはそぐわなかった

青木るえか エッセイスト

 見ていてイライラしたり腹がたつ番組を見て「イライラする」と言うと「なら見るな」と言われるわけだが、「イライラするからこそ、こいつをやっつけてやる!」という気持ちで見続ける、ということはある。

 当欄で、以前、面白いってほめたこともあります『真田丸』、どうしたわけか現在はそのようなサツバツとした気持ちで毎週欠かさず見るようになってしまっております。

 こういうことを書くと「見るのやめられないんでしょ? それも好きのうちよ〜」とか言われてたいへん不愉快である。太平洋戦争時、アメリカは徹底的に日本を研究したと思うが、それは日本が好きだったからか。

 なぜ『真田丸』がそんなことになってしまったか、については最終回が終わってからまた分析をしたいと思います。で、そういうのとは逆に「見ていてイライラするから、見たくなくなる」という番組も当然あって、『とと姉ちゃん』はまさにそれだった。

イライライライラ……

 イライラしてたまらん!

 なら見るな!……さっさと切れ! と思ったけれどそうできない理由があったのです。

大橋鎮子さん=1991年拡大「暮しの手帖」社長時代の大橋鎭子さん=1991年
 それは、このドラマが「『暮しの手帖』の大橋鎭子と花森安治をモデルにしたドラマ」だからだ。

 最終回が終わった! ほんとせいせいした!

 たった15分なのに、毎回苦痛だった!

 とにかくイライラで出来てるようなドラマだった。いろんなことにイライラしてブチッと消しそうになる。

 悪辣メーカーアカバネ電器の社長(古田新太。このキャスティングもまた安易というか)が「これで『あなたの暮し』も終わりだフッフッフ」とかやってる場面とか、見てられなかったもん。

 こんなドラマにありがちな場面で腹が立ってしまったのか。

 こんなのはふつう、腹を立てる前にチャンネル回して数分後に忘れるってやつだろう。まさに「イヤだから見ない」ことになっていたはず。しかし『とと姉ちゃん』ではそういうわけにいかなかった。

単純に面白かった『暮しの手帖』

 私は『暮しの手帖』の愛読者だ。中学生の頃。1970年代前半、だいたい、第2世紀の20号ぐらいからずっと読んでいた。まさに、毎回のように商品テストをやってた時代。 ・・・続きを読む
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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

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