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商都大阪の“嫌韓”は、「依存」ゆえの逆恨みか

落ちるお金が減り始めた時に、事件は起こった

福嶋聡 ジュンク堂書店難波店店長

 今年10月、大阪で、韓国人観光客への嫌がらせや暴行が、立て続けに起こった。大手寿司チェーンでわさびを大量に握りこんだ事件、大手私鉄で「本日は外国人のお客様が多く乗車し、ご不便をお掛けしております」と車内アナウンスした事件、道頓堀で韓国人旅行者の男子中学生がいきなり暴行を受け、その家族も負傷した事件。

 大阪ミナミ、ぼくが勤務する店の近隣でこうした事件が続いてしまったことは、とても残念だ。4月には、大手バス会社が韓国人観光客の乗車券に蔑称を印字した事件も起こっているという。

ガード下にある高麗市場。キムチのにおいに食欲がそそられる=大阪・鶴橋、伊ケ崎忍撮影拡大「在日」と日本人が共生する大阪・鶴橋=高麗市場で 撮影・伊ケ崎忍
 大阪の韓国総領事館は、ホームページで観光客に注意を呼びかけ、大阪府警へ対処を要請した。韓国メディアでは、「嫌韓都市・大阪」というありがたくない称号さえ使われはじめた。

 恥ずかしい。みっともない。大量のわさびなど、悪戯としても子供じみている。

 旅行者が大きな手荷物を持っていることは当然で、それは外国人旅行者であっても日本人旅行者であっても違いはない。

 件(くだん)の私鉄の車掌は、「日本人乗客の1人が車内で『外国人が多く邪魔だ』との内容を大声で言ったのを聞き、乗客間のトラブルを避けるため、所定の案内を放送した後、付け加えた」と言い訳しているそうだが、他の乗客の不満を少しでも紛らわすためなら、単に「車内が混み合って申し訳ございません」でよかった筈だ。

 突然の暴行など論外である。弁護の余地もない。日刊サイゾーは、韓国人が外国人を差別したり攻撃したりしている事例をあげつらっているが、問題のすり替えに過ぎない。

韓国人観光客を引き寄せる磁場で

 オリンピック招致の殺し文句として「おもてなし」を掲げた日本で、国を挙げて「観光立国」を目指すと宣言した日本で、なぜ、こんなことになってしまうのか?

 理由のひとつは、 ・・・続きを読む
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筆者

福嶋聡

福嶋聡(ふくしま・あきら) ジュンク堂書店難波店店長

1959年生まれ。京都大学文学部哲学科卒。1982年、ジュンク堂書店入社。サンパル店(神戸)、京都店、仙台店、池袋本店などを経て、現在、難波店店長。著書に『希望の書店論』(人文書院)、『劇場としての書店』(新評論)など。

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