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施 鐘泰(JONTE)インタビュー

舞台『それいゆ』、中原淳一から影響を受ける青年・天沢栄次を演じる

米満ゆうこ


拡大舞台『それいゆ』に出演する施 鐘泰(JONTE)=安田新之助撮影

 どこまでも伸びるしなやかな歌声で2007年に歌手デビューし、2009年から役者としての活動を始めた施 鐘泰(JONTE=以下、ジョンテ)。ライブをはじめ、多くのミュージカルや芝居で活躍し人気を集めている。今年は、新作アルバムを発表したほか、舞台『それいゆ』、ブロードウェイ・ミュージカル『キンキーブーツ』などに出演。『それいゆ』は、画家でファッションデザイナー・中原淳一の“美しく生きる”という信念を軸に描いた作品だ。

 中原は戦後まもない時期に女性誌『それいゆ』を創刊した画家で、多くの日本の女性たちに夢と希望を与えたカリスマ的存在の人物。今でも根強いファンが多い。今年5~6月の初演でジョンテは、中山優馬演じる中原のよき理解者である内気な青年・天沢栄次役を好演した。舞台は早くも来年の4月から東京、福岡、兵庫で再演が決定している。中原の生き方に感化されたという『それいゆ』や、アルバム『Reboot』などについてジョンテに話を聞いた。

中原淳一みたいになりたいと思った作品

――ジョンテさんにとって、舞台『それいゆ』は、とても響くものがあった作品だとうかがっています。

 中原淳一さんは戦中戦後の激動の時代を生きてこられた方です。戦時中はいろんなものが禁止されていました。それでも美しさとは何かを追い続け、やりたいことや、追うべきものを見つけたんです。その彼の力強さや人間力に惹かれました。僕も見習って、中原さんみたいになりたいと思った作品なんです。

――再演が決まって、嬉しかったでしょうね。

 そうですね。また参加させていただけるのはすごく嬉しいですし、初演を経て、今回、感じ方が変わるかもしれません。いろいろな感情が芽生えてくると思いますので、それを一つ一つ、しっかりキャッチしていきたいです。

拡大舞台『それいゆ』に出演する施 鐘泰(JONTE)=安田新之助撮影

――ジョンテさん演じる天沢栄次の役どころですが、体が弱く、徴兵を免れていて、歌手を目指すために音楽学校に通っています。実在はしない人なのですよね。

 はい。でもモチーフになった高英男さんという方がいらっしゃるんです。高さんのことをリサーチして、台本で描かれている天沢に忠実に、高さんのことも踏まえながら演じました。天沢の臆病で、礼儀正しくて……というところを忠実に演じるよう心がけました。

――ジョンテさんは臆病で人見知りをするところが、天沢に似ているとおっしゃっていましたが。

 ええ、臆病ですね(笑)。

――今でも(笑)?

 年齢のせいもあるのか、ちょっとズカズカ行くところも最近はありますが、臆病に育ってきた性格はなかなか変わらないので、今でもそうですね(笑)。

――臆病な性格は、控えめで慎重と捉えられるので、美点にもなりますよね。

 それが利点となってうまいこといけばいいのですが……。決めるところや、出ていくところはしっかりとしなければいけないので、中原さんの生き方に比べると僕には全然足りないんです。自分も好きな音楽や役者をやらしていただいていますけど、中原さんの時代とは全然違うから、足りないところだらけです。「戦時下にもかかわらず、美しいものを追い求めるなんて」と皆に非難される中、中原さんはそれを貫いた。それぐらい強く意思を通さなければいけないし、後世に残す芸術を作るには、そのぐらいメンタルが強くないとダメなんだと。僕もそれを学びましたし、舞台では天沢が中原さんを通して成長していく糧にもなっています。

◆公演情報◆
舞台『それいゆ』
2017年4月6日(木)~11日(火) 東京・サンシャイン劇場
2017年4月14日(金)~15日(土) 福岡・北九州芸術劇場 中劇場
2017年4月19日(水)~23日(日) 兵庫・新神戸オリエンタル劇場
[スタッフ]
脚本:古家和尚
演出:木村淳(関西テレビ放送)
[出演者]
中山優馬/桜井日奈子/施鐘泰(JONTE)/辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)/愛原実花
佐戸井けん太 ほか
公式ホームページ

 

〈施 鐘泰(JONTE)プロフィル〉
大阪府出身。2007年『ゆれる』で日本・中国・韓国の3カ国同時デビュー。2009年から舞台やドラマにも活躍の場を広げる。最近の出演作品は『キンキーブーツ』『それいゆ』『No.9-不滅の旋律-』『ウィズ~オズの魔法使い~』など。2016年5月に最新アルバム『Reboot』を発売。

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筆者

米満ゆうこ

米満ゆうこ(よねみつ・ゆうこ) フリーライター

「三度の飯よりアートが好き」で、国内外の舞台を中心に、アートをテーマに取材・執筆。ブロードウェイの観劇歴は20年以上にわたり、ブロードウェイの劇作家トニー・クシュナーや、演出家マイケル・メイヤー、スーザン・ストローマンらを追っかけて、現地で取材をしている。

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