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「君の名は。」〓2016「君の名は。」製作委員会 拡大『君の名は。』 (c)2016「君の名は。」製作委員会

 大ヒット中の映画『君の名は。』は、12月11日までに累計興行収入205億1357万6300円、累計動員1578万3094人に到達。『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001年)を抜いて、歴代4位となった。年末年始も興行は継続されることから、更に数字を伸ばすと思われる。

 『君の名は。』は上映時間約107分、総カット数約1650、作画枚数約6万枚、1カット平均約3.9秒/36枚。

 その特徴を明確化するため、上映時間の近いスタジオジブリ作品と比較してみたい。

 『魔女の宅急便』(1989年)約102分、1179カット、作画枚数約6万7000枚、1カット平均約5.2秒/57枚。
 『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999年)は約103分、938カット、作画枚数約17万3000枚、1カット平均約6.6秒/184枚。

 要するに、本作の総カット数はかなり多いが、作画枚数は少なく、ワンカットの秒数は短い。前回記したように、「点描の集積」はその主要因だと思われる。

 ただし、点描だけで成立するはずもなく、そこには点と点をつなぐ「線」もある。以下、「線」の役割を果たし、進行を様式化させている演出について6つの項目に分けて考えてみたい。

 まずは音楽と同期した設計について。

RADWINPSの音楽との同期を追求

(1)劇伴・歌唱曲とのシンクロ。楽曲のテンポや歌詞による相乗効果的代弁

「君の名は。」の音楽を手がけたRADWIMPS拡大『君の名は。』の音楽を手がけたRADWIMPS
 新海誠監督自身が何度も語っているように、本作に音楽の果たした役割は大きい。

 本作にはRADWINPSによる歌唱曲が4曲も挿入されているが、 ・・・続きを読む
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筆者

叶精二

叶精二(かのう・せいじ) 映像研究家、早稲田大学・亜細亜大学・東京工学院講師

映像研究家。早稲田大学・亜細亜大学・大正大学・東京工学院講師。高畑勲・宮崎駿作品研究所代表。著書に『日本のアニメーションを築いた人々』(若草書房)、『宮崎駿全書』(フィルムアート社)、「『アナと雪の女王』の光と影」(七つ森書館)、共著に『王と鳥 スタジオジブリの原点』(大月書店)など。

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