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青木豪×東山義久、演劇界の「異文化交流」(上)

日本の下町を舞台に描く『エジソン最後の発明』

大原薫


拡大『エジソン最後の発明』演出の青木豪(左)と出演する東山義久=岩村美佳撮影

 劇作家・演出家の青木豪による7年ぶりのオリジナル・演出作品となる『エジソン最後の発明』が2017年4~5月、東京シアタートラムを皮切りに名古屋、大阪にて上演される。

 “エジソン最後の発明”といってもエジソン評伝記ではない。エジソンが最後に取り組んだというのが「死者と会話ができる通信機器」。日本のどこかの下町で“エジソンさん”と呼ばれる発明好きな社長が「死者と話す通信機器」の発明に取り組み始めたことから始まる騒動を描く、おかしくてちょっと切ない物語だ。

 瀬奈じゅん、小野武彦といったバラエティーに富んだ出演者が集まる中、DIAMOND☆DOGSを率いる東山義久が久々のストレートプレイに出演することで注目される。「会うのは今日で二度目」という青木と東山の対談で、作品のイメージがどんどん膨らんでいったようだ。

僕だけが畑違いになるかもしれないと思っていたんです

拡大『エジソン最後の発明』に出演する東山義久=岩村美佳撮影
――どうして、『エジソン最後の発明』という題材を選ばれたのでしょうか?

青木:最近は作か演出のどちらかで、作・演出を両方やることがなかったんです。プロデューサーから「オリジナルで演出もやりましょうよ」という話をいただいたときに、ふと思いついたのが工場の話。以前何かで調べたときにエジソンが最後に取り組んだのが「死者と話す通信機器」だというのを知って、それにとても惹かれるものを感じたんですね。

――エジソンが「死者と話す通信機器」を発明しようとしたというのは本当の話なんですか?

青木:実話ですね。そこから「エジソンよろしくその機械を発明しようとしているおじさん」という絵が見えてきた。瀬奈さんと東山さんに出演をお願いしようということで、声が素敵な瀬奈さんにはラジオパーソナリティーの役、そして、東山さんにはラジオディレクターの役という絵が浮かんできました。東山さんの役は瀬奈さんの役と結婚を考えている。でも、バツイチだからどうもお父さんが反対しそうだという設定で、この3人が軸になっているストーリーを考えています。

――この役は東山さんに合わせて考えたんですか?

青木:そうですね。最初、「あんちゃんみたいな人に出てもらいたい」と話していたら、プロデューサーが……。

東山:それは僕だろう、と(笑)。

青木:それで、去年の夏くらいに一度会ったんですよね。

東山:僕は青木さんのお名前は存じ上げてたんですけど、会ってお話をするのは初めてでした。瀬奈さんはじめ今回のメンバーとは今まで誰も共演したことがないんですよ。「出演する皆さんの中で僕だけが畑違いになるかもしれない」と今日、先生に言ってたんです。

拡大『エジソン最後の発明』演出の青木豪=岩村美佳撮影
青木:先生はやめてください(笑)。僕も皆さん初めてなんですよ。

東山:そうなんですか。青木さんの懐刀のような方たちを連れていらっしゃるのかと思って、ちょっとビビってたんですよ(笑)。

青木:いや、僕も全員初めて。小野さんは以前僕の脚本の舞台に出られているけれど、演出で関わるのは初めてです。

普段はまったく見られない東山さんをお見せします

――青木さんは東山さんをどう描きたいと思っていらっしゃいますか。

青木:今回は歌も踊りもないんです。お客様には「すみません、今回はその部分はないので、歌や踊りは別なステージでお楽しみください」と。「でも、普段はまったく見られない東山さんならお見せできますよ」と言いたいですね。

東山:そこが嬉しいですね。僕のお客様や知り合いは今回の作品をとても期待している。僕が何か話す前から「面白そう、1回といわず2回は見たいね」と言ってくださるんです。

◆公演情報◆
『エジソン最後の発明』
2017年4月2日(日)~23日(日) 東京・シアタートラム
2017年5月1日(月) 名古屋・青少年文化センター アートピアホール
2017年5月2日(火)~3日(水・祝) 大阪・サンケイホールブリーゼ
[スタッフ]
作/演出:青木豪
[出演]
瀬奈じゅん、東山義久、岡部たかし、まりゑ、安田カナ、武谷公雄、八十田勇一、小野武彦
公式ホームページ
〈青木豪プロフィル〉
1997年劇団グリングを旗揚げ。以後、2009年の活動休止まで作・演出を務め、市井の人々の巧みな会話劇で評判を呼ぶ。近年では幅広い作風に挑み、プロデュース公演や多くの劇団にバラエティーに富んだ作品を提供。近年の舞台作品に音楽劇『ガラスの仮面』『八犬伝』『断色』『鉈切り丸』『9 days Queen』『天鼓』『ブルームーン』『花より男子 The Musical』以上脚本、『往転-オウテン』『The River』Dステ19th『お気に召すまま』演出など。
〈東山義久プロフィル〉
1998年大学卒業と同時に初舞台。以後、しなやかな躍動感を個性として舞台を中心に活躍の場を広げる。2000年に東宝ミュージカル『エリザベート』にトートダンサーとして出演後、2003年春に“DIAMOND☆DOGS”を始動。2013年には肉体の可能性を追求する新しいカンパニー“BOLERO”を立ち上げるなど多方面に活動の幅を広げている。主な出演作品に『カルメン』『サロメ』『ALTER BOYZ』『ちぬの誓い』『ニジンスキー』『眠れぬ雪獅子』『戯伝写楽』『レ・ミゼラブル』など。

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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