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名相棒を「華々しく見送りたい」/朝夏まなと

【プレシャス宝塚】退団公演「最大限に生かしたい」充実の笑顔/実咲凜音

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ・3月2日紙面(東京本社発行分)より】

 宙組トップ朝夏(あさか)まなと、相手娘役・実咲凜音(みさき・りおん)のトップコンビ集大成となる「王妃の館」「VIVA! FESTA!」が、兵庫・宝塚大劇場で上演中だ。浅田次郎氏の人気小説を原作にしたミュージカル「王妃-」と、世界の祭りを描いたショーの2部構成。息の合った芝居、デュエットダンスでも魅了。朝夏は「自分のために花を咲かせて」と言い、今作が退団公演の実咲を送り出す。宝塚公演は6日まで、東京宝塚劇場は31日~4月30日。

拡大宙組公演「王妃の館」で主演を務める朝夏まなと(撮影・前田充)
 朝夏・実咲コンビの集大成作は、ミュージカル・コメディー。朝夏は「幕開きからディズニーランドみたいな、すごくワクワクする感じ」と言い、連日、息の合った芝居を見せる。

 「ダブルブッキング」をキーワードにした「王妃の館」は、水谷豊主演で映画化もされた作品。経営難に陥ったパリの高級ホテルを舞台に、実咲が旅行代理店の女社長を演じ、朝夏は騒動を拡大させるツアー客の小説家にふんしている。

 「実咲も今までになかったような個性、パンチのある役だと思う。彼女には『自分が卒業するんだから、自分のために舞台で花を咲かせて』と言っている」

 自らは、台本を頭の中で漫画の世界観に置き換えて役作りをしてきたという。

 「イメージとして、わいてきたのは『のだめカンタービレ』でした。ツンデレで千秋先輩のような感じ」という。飛行機恐怖症のエリート音大生・千秋先輩を引き合いに「人間的に弱みもありつつ、かつ、品もあるという」と説明。

 「コメディーは笑わせるのではなくて、テンポ感が大事。宝塚的に、どこまで変人感覚を出せるか、バランスに悩みました。(役柄は)追い込まれて、周りが見えなくなる性格。すごく、そこが強烈なので」

 トップとして宙組を率いて丸2年が過ぎた。「いい意味でこの立場に慣れ、視野も広がったと思います」と振り返る。足元を見つめ直す1年にしたいという。今作のショーでは、黒えんびで男役を従え大階段で踊り、実咲との最後のデュエットでも魅了している。

 「トップになる前から組んでいるので、彼女がどんどん成長しているのを感じ、私がやりやすいように考えてくれて、助けられたという思いもあります」

 ともに花組出身。古巣時代から知る仲だけに「華々しく見送りたい」と、心に決めている。朝夏の2017年はまず“名相棒”を送り出し、始動する。

最後かと、ふと寂しくなることも

拡大宝塚の思い出を振り返り笑顔を見せる実咲凜音(撮影・宮崎幸一)
 トップから娘役冥利(みょうり)に尽きる言葉をもらい、実咲は退団公演に臨んでいる。「(『自分のために舞台で花を咲かせて』は)最大の愛のお言葉で、課題とも思う。甘えることなく、学んだことを最大限に生かしたい」。笑顔に充実感が漂う。

 「心、懐が大きくて、優しくて、朝夏さんの言葉は、何もかも、ありがたかった。感謝、幸せ。人生の最後に、走馬灯のようによみがえるぐらい。これで最後かと思うと、帰り際にふと、寂しくなることも」

 今作の役柄は、ツアーをダブルブッキングする旅行代理店の社長役。「最近はエリザベートなど王妃の役が続いていたので、等身大の女性は久しぶり」。懸命であるほど、その姿がおもしろい。コメディーは「得意じゃない」と言うものの、笑いのDNAはある。

 「そこはやはり、関西人なので(笑い)。お笑い番組も好き。関西出身だということを誇りに思いつつ、取り組んできました」

 早くから抜てきが続き、がむしゃらに走ってきた。自身の境遇にリンクする。「私もすぐやりすぎちゃう。空回り感は、分からなくもない」と笑った。

 ショーの見どころを聞くと「デュエットダンス!」と即答。朝夏と同じく、トップコンビとしての集大成を詰め込む覚悟だ。

 ◆ミュージカル・コメディー「王妃の館」(原作・浅田次郎氏、脚本・演出=田渕大輔氏)浅田次郎氏のベストセラーをミュージカル化。太陽王ルイ14世が残した「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ(王妃の館)」を舞台に、個性豊かな登場人物による人間模様をコミカルに描く。深刻な経営難に陥っているパリの高級ホテル「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ」に目を付けた旅行代理店が、高額の「光ツアー」と格安の「影ツアー」を同時催行することで起こるドタバタ劇。

 ◆スーパー・レビュー「VIVA! FESTA!」(作・演出=中村暁氏)リオのカーニバル、ヨーロッパのヴァルプルギスの夜、スペインの牛追い祭り、日本のYOSAKOIソーランなど、世界の「祭」をテーマにしたレビュー。

 ☆朝夏(あさか)まなと 9月15日、佐賀市生まれ。3歳からバレエを習い、02年入団。花組配属。05年「マラケシュ・紅の墓標」で新人公演初主演。12年6月、宙組へ。15年2月に同トップ。同3月「TOP HAT」でトップ初主演、同6月「王家に捧ぐ歌」で本拠お披露目。昨夏「エリザベート」主演。今年6月には大阪、東京でライブ「アメイジングステージ『A motion』」も決定。身長172センチ。愛称「まぁ」「まなと」。

 ☆実咲凜音(みさき・りおん)7月5日、神戸市生まれ。09年入団。花組配属。10年8月「麗しのサブリナ」新人公演で初ヒロイン。バウ、外部劇場でヒロイン多数。11年の映画「阪急電車 片道15分の奇跡」にも出演。12年5月に宙組。同7月トップ娘役に就き、凰稀(おうき)かなめ(前宙組トップ)の相手役を務め、15年2月からは朝夏とトップコンビ。身長163センチ。愛称「みりおん」。

「プレシャス!宝塚」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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