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まるで学芸会「べっぴんさん」を見続けた理由

大急百貨店も万博も、エピソードもつるっつるだったけど

矢部万紀子

蓮佛(れん・ぶつ)美沙子さん、芳根京子さん、谷村美月さん=神戸市拡大「べっぴんさん」の撮影で。左から蓮佛美沙子さん、芳根京子さん、谷村美月さん=神戸市

 あれは成城学園前の駅近くのワインバーだった。2月の初めのある日、女友だちFと飲んでいた。

 べっぴんさん、見てる? なんとはなしに聞かれ、うん、つまらないよねと答えた。

 確かにつまらないけど、これ知ってる? Fがそう言って教えてくれた。

 「けんちゃん」役の俳優(古川雄輝)は、けんちゃんの母「きみちゃん」役の女優(土村芳)より年上なんだよ。

 へ、そうなんだーと答えた直後、私はFにこう返した。じゃあ、「たけちゃん」(中島広稀)がダイハツ・ウェイクのCMに出てるの、気づいてる?

 ウェイクのCMは、メインのマッサン(玉山鉄二)が車の屋根を切ろうとすると、「あんちゃん、ウェイクだよ(エコー:ウェイクだよ、ウェイクだよ)」って弟分が割って入るでしょ。あれ、たけちゃんなんだよ。

 えー、そうなの? そうだよ、テレビ、じっーと見ていて気づいたのさ、えっへん。へー、すごーい。

 Fにほめてもらった。うれしかった。

 それが「『べっぴんさん』と私」のクライマックス。だったかもしれない。

 とにかくうっすいドラマだった。学芸会を見せられているようだった。

 平均視聴率は20.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。「あまちゃん」後でいうなら、「まれ」の19.4%に次ぐ低さ。最高は「あさが来た」の23.5%で、微差といえば微差だが、実態を表しているといえば表している、と思う。やはり世間の目は鋭いのでは。そんな気がした。

優等生が語る「勇気と愛情と信頼と希望」

 いつも「すみれちゃん」「きみちゃん」「りょうこちゃん」、たまに「あけみさん」(以上、「ファミリア」ならぬ「キアリス」の創業メンバー)。それから「たけちゃん」「けんちゃん」「さくらちゃん」……。ちゃん付けの人たちが、何かをしている。以上終わり。そんな学芸会。

 ちゃん付けだから学芸会といっているのではない。そんな雰囲気を保ちながら、大きくなっていく会社の物語を見せるという意図はわかる。そういう人たちだね、なるほど、だから発展したんだね。そう腑に落ちればいいのだ。が、 ・・・続きを読む
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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) 「ハルメク」編集長

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月より50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長に。

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