大急百貨店も万博も、エピソードもつるっつるだったけど
2017年04月10日
あれは成城学園前の駅近くのワインバーだった。2月の初めのある日、女友だちFと飲んでいた。
べっぴんさん、見てる? なんとはなしに聞かれ、うん、つまらないよねと答えた。
確かにつまらないけど、これ知ってる? Fがそう言って教えてくれた。
「けんちゃん」役の俳優(古川雄輝)は、けんちゃんの母「きみちゃん」役の女優(土村芳)より年上なんだよ。
へ、そうなんだーと答えた直後、私はFにこう返した。じゃあ、「たけちゃん」(中島広稀)がダイハツ・ウェイクのCMに出てるの、気づいてる?
ウェイクのCMは、メインのマッサン(玉山鉄二)が車の屋根を切ろうとすると、「あんちゃん、ウェイクだよ(エコー:ウェイクだよ、ウェイクだよ)」って弟分が割って入るでしょ。あれ、たけちゃんなんだよ。
えー、そうなの? そうだよ、テレビ、じっーと見ていて気づいたのさ、えっへん。へー、すごーい。
Fにほめてもらった。うれしかった。
それが「『べっぴんさん』と私」のクライマックス。だったかもしれない。
とにかくうっすいドラマだった。学芸会を見せられているようだった。
平均視聴率は20.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。「あまちゃん」後でいうなら、「まれ」の19.4%に次ぐ低さ。最高は「あさが来た」の23.5%で、微差といえば微差だが、実態を表しているといえば表している、と思う。やはり世間の目は鋭いのでは。そんな気がした。
いつも「すみれちゃん」「きみちゃん」「りょうこちゃん」、たまに「あけみさん」(以上、「ファミリア」ならぬ「キアリス」の創業メンバー)。それから「たけちゃん」「けんちゃん」「さくらちゃん」……。ちゃん付けの人たちが、何かをしている。以上終わり。そんな学芸会。
ちゃん付けだから学芸会といっているのではない。そんな雰囲気を保ちながら、大きくなっていく会社の物語を見せるという意図はわかる。そういう人たちだね、なるほど、だから発展したんだね。そう腑に落ちればいいのだ。が、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください