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スタジオライフ関戸博一×松本慎也×宇佐見輝/下

『THE SMALL POPPIES』で5歳児を演じる

岩橋朝美 フリーエディター、フリーライター


スタジオライフ関戸博一×松本慎也×宇佐見輝/上

松本さんは完璧、関戸さんは潤滑油

拡大『THE SMALL POPPIES』に出演する、左から松本慎也、宇佐見輝、関戸博一=伊藤華織撮影

――その辺りも伺いたいと思っていました。宇佐見さんは女性役が多く、同じく女性役を多く演じている先輩の松本さんや関戸さんの背中を見て階段を昇って来たのではと思っていました。ご自身ではいかがですか?

宇佐見:松本さんは完璧な人間というイメージが入団当初からあって。ミスしたことをほとんど見たことがなくて。だから、たまにちょっとミスしたところを見ると、あ、松本さんも人間だなって……。

松本:新人の頃、倉田さんに何度立ち直れないほどの厳しいダメ出しを受けたことか。

宇佐見:アドバイスをくださるときに、そのことを聞いて信じられないなと思って。

松本:「顔も見たくないわ」って。ウサちゃんが入団するより前の新人の頃ですね。

宇佐見:僕は2012年の『OZ-オズ-』で入団して、その頃から松本さんはずっと主役をされていて。僕がデイジー役に決まったときに、稽古場で松本さんから「おめでとう! 最近起こったことの中で一番うれしいよ」と言ってもらって凄くうれしかったです。本番は、お忙しくて見ていただけなかったんですが……(笑)。

松本:記録映像をいつか見るよ。

――宇佐見さんのデイジーは本当に可愛かったです。女子!って感じで。

宇佐見:ありがとうございます。関戸さんも完璧なんですが……。

(一同笑)。

宇佐見:関戸さんは、いると周りが上手くいく潤滑油のような方なんです。衝突が起こりそうなときにふっと空気を軽くしてくれるので、仕込み作業などでピリつきそうなときは、関戸さんをチラッと見て助けてもらいます。

関戸:問題を先送りにしていることもあるんですけどね。後にしようって。

宇佐見:あと、アドリブが凄くて。舞台上でハプニングが起きたときに回収するのが天才的で。“スリーメン”で、僕は音響を担当していて、隣で照明を担当していた澤井(俊輝)と「凄いね」って小声で言い合ってました。僕もそんな風になりたいと思うんですが、脳の作りが違うみたいで……。

関戸:あの能力ね、演技力とは全く違うから(笑)。若干司会寄りの能力だから。

宇佐見:でも、役を押さえたうえで行動するというところで、凄いなと思って見てました。

僕はウサちゃんの芝居が好きなんです

拡大『THE SMALL POPPIES』に出演する、左から松本慎也、宇佐見輝、関戸博一=伊藤華織撮影
――おふたりから見た宇佐見さんとは?

松本:役者って、芝居のタイプの好き嫌いがあると思うんですよ。その人自身を好きか嫌いかとは関係なく。僕はウサちゃんの芝居が好きなんです。早く大きな役がついたらいいな、それだけのものをもっているのになとずっと思っていました。エーリク(『トーマの心臓』)もずいぶん前からやってほしいなと思っているんです。

関戸:僕はマツシンのように「おめでとう!」と言わなかっただけで(笑)、同じように早く真ん中でやるべきだと思ってました。デイジー役に決まったときも「やっときた。よかった」と思ったんですけど、僕は潤滑油で前に出て伝える方じゃないので……。

松本:潤滑油になるのは、あんまり好きじゃないの(笑)?

関戸:最近、潤滑油ってバカにされ始めたじゃん。就活で「僕は御社の潤滑油としてがんばります」っていうと落とされるっていう。“意識高い系”と一緒で、段々バカにされてきた感じがね。

(一同笑)。

関戸:ウサちゃんと僕は似ているところがある気がするけど、彼の方が闇が深いというか、もっと抱えている部分があって、役者として衝動的なものを実はもっていると思うんですね。そういうところが『LILIES』のビロドー役とかに生きていると思いますし、いろんな大きな役を経験して、さらに引き出されていくのかなと。(松本とは)同期なので、やっぱり同じようなことを思うんですよね。

松本:器用だし、やさしい子なので、本当はバーンと出せるところを、周りを見て引いてしまったり、閉じてしまうところがあって。だから、開かなくちゃどうしようもないと追い込まれる役がくると面白くなるんじゃないかな。自分が引っ張っていく責任感も生まれていくと思うし、役者としてワガママになると思う。だから、大きな役はどんどん経験していってほしいですね。

――おふたりの愛を感じますね。

関戸:愛かはわからない。

(一同笑)。

――後輩のことをよく見ていらっしゃるなと思いました。

松本:ずっと一緒にいますからね。どんな役者になるかなとか、育ってくるとうれしいです。

拡大『THE SMALL POPPIES』に出演する関戸博一=伊藤華織撮影
――ずっと一緒にいるといえば、松本さんと関戸さんはJunior7の同期で10年以上同じ劇団で過ごされていますよね。最初から今までで、お互いの印象は変わりましたか?

松本:(関戸の)最初の印象がないんです!

――ええー!?

松本:僕らの同期には、アクが強い人間が多くて。最初の頃は、一緒にあまり過ごしていなかったよね。

関戸:僕は基本、実体がない感じで過ごしていたので。

(一同笑)。

松本:僕は演劇の経験がまったくなくて、上手・下手(かみて・しもて)もわからなかったぐらいで。せっきー(関戸)は芝居の経験がある程度あったうえで入団してきたので、たぶん僕がわけもわからずもがいているのを、「ハハッ」ていう感じで見ていたと思うんですよね(笑)。

関戸:「ハハッ」ということはなくて(笑)、マツシンは自分が何もわからないということを絶対に言い訳にしたくないタイプだったから、なんていうか、ざっくりいうと「このケンカ負けねえぞ!」っていう気持ちが凄くありましたね。体も誰よりも硬くて、開脚なんて全然開かなかった。信じられないでしょう? 一気に「全身」(体全部に力を入れて、大きく体を広げるトレーニング)では、全力を込めすぎて後ろにそのままバターンと倒れたり。

松本:「やれやれ!」って周りが言うからさ、やったらいつの間にか床に倒れてて、「おいおい、大丈夫か?」って。

――青春漫画の主人公のようですね。

関戸:リミットすらわからないから、根性的なことも含めて。

松本:たいていのことは、気合でなんとかなると思っているタイプだから。それは今でも思ってる。

宇佐見:それは感じます。

――松本さんのインパクトは強かったんですね。

関戸:Junior7は、みんな印象が強かったんですよね。その中で、僕は実体を消して枠組みを作っていたと(笑)。

――その頃から潤滑油だったということですか。

松本:せっきーがバランスをとってくれるんですよ。せっきーが怒ったところなんて見たことないし。

関戸:みんな怒ってたからね。新人の頃って10人近くいて、知り合って1年ぐらいだと同期の中でもいろいろあるわけですよ。そこを、まぁまぁと。

◆公演情報◆
スタジオライフ公演『THE SMALL POPPIES』
2017年6月15日(木)~7月2日(日) 東京新宿・シアターサンモール
[スタッフ]
作:DAVID HOLMAN
上演台本・演出:倉田淳
企画・制作・問合せ:Studio Life〈03-5942-5067/平日12:00~18:00〉
[出演]
笠原浩夫、山本芳樹、岩﨑大、船戸慎士、牧島進一、関戸博一(koalaチームのみ)、松本慎也、仲原裕之、緒方和也、宇佐見輝、若林健吾、千葉健玖、江口翔平、吉成奨人、藤原啓児
公式ホームページ
〈関戸博一プロフィル〉
神奈川県出身。『トーマの心臓』『訪問者』『PHANTOM THE UNTOLD STORY 語られざりし物語』などスタジオライフ公演の他、『大図~月から江戸まで八百歩』『私が欲しいカラダ』など外部舞台への出演も多数。また、ドラマCD『青い羊の夢』、アニメ映画『桜の温度』などで声優としても活躍中。
〈松本慎也プロフィル〉
愛媛県出身。『トーマの心臓』『PHANTOM THE UNTOLD STORY 語られざりし物語』『エッグ・スタンド』などスタジオライフ公演の他、『ACT泉鏡花』『風が強く吹いている』『大正浪漫探偵譚 ~君影草の設計書~』『天球儀』『Silver Star, Silver Moon, Silver Snow』など外部舞台への出演も多数。
〈宇佐見輝プロフィル〉
千葉県出身。『トーマの心臓』『DAISY PULLS IT OFF』『エッグ・スタンド』などスタジオライフ公演の他、危婦人『福憑~そこはかとなく忠臣蔵~』dopeⒶdope step.2『コンダクター-The conductor-』などの外部出演も行う。

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筆者

岩橋朝美

岩橋朝美(いわはし・あさみ) フリーエディター、フリーライター

映画関連のムック・書籍の編集に携わった後、女性向けWEBメディア・Eコマースサイトのディレクションを担当。現在はWEBを中心に、ファッション・美容・Eコマースなど多様なコンテンツの企画、編集、取材、執筆を行う。また、宝塚やミュージカルを中心とした舞台観劇歴を生かし、演劇関連の取材や執筆も行う。

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