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受け身の芝居で新境地に挑戦/桜木みなと

【宝塚~朗らかに~】インタビュー「パーシャルタイムトラベル 時空の果てに」主演

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ・6月8日紙面(東京本社発行分)より】

拡大宙組「パーシャルタイムトラベル 時空の果てに」の公演を前に意欲をみせる桜木みなと(撮影・田崎高広)
 宙(そら)組スター桜木みなとが、兵庫・宝塚バウホール公演「パーシャルタイムトラベル 時空の果てに」に主演する。バウ2度目のセンター。がむしゃらさだけでなく、受け身の芝居で新境地に挑戦。肩の力が抜け、新たな発見を桜木自身が期待して中央に立つ。兵庫・宝塚バウホールで9~20日。

 もう、突っ走るだけじゃない。「周りに頼る、信頼することを覚えました」。9年目の95期。「男役10年」を来年に控え、スターの階段を1段上がった。

 「今までは真ん中に立つことに、責任を背負って、頑張らなきゃって焦りもあった。でも今は力まず、歌、芝居にしても、流れに身を任せたい。いい意味で振り回されたい。そんな意識を持っています」

 宙組は、トップ朝夏(あさか)まなとが退団を発表。まもなく変革期となる。

 「組の空気を明るくし、みんなを高めさせてくれる。ずっと背中を見ていた方がいなくなれば、自分も(後輩を)引っ張っていかなきゃ、頑張らなきゃいけない」

 圧倒的な実力で95期をけん引する首席の礼真琴は、既に星組2番手。花組の柚香光(ゆずか・れい)は華やかさ、抜群のダンスで新人時代から頭角を現した。月城かなと、朝美絢ら華々しい同期男役の存在は刺激になり、焦りも生んでいた。

 「同期で顔をそろえると、いいライバルと思うと同時に焦ってもいた。追い付かなきゃ、追い越さなきゃって。組の中で自分が置かれる位置がどんどん大きくなり、プレッシャーというか、自分で勝手に背負い込んでしまっていた」

 気負いが抜けたきっかけは、4月に退団した自組、宙組トップ娘役の実咲凜音(みさき・りおん)。実咲も同期の95期だった。

 「実咲は(トップ娘役でも)同期だから濃く見てきた。メンタルの強さ、タフさ、スタミナを学ばせてもらった。彼女のように、もっと伸び伸びやっていい。いろんな役をいただき、課題に思うのではなく、楽しめばいいんだって」

 娘役で言えば、元星組トップ娘役の妃海風、現月組トップ娘役の愛希れいかも同期。黄金世代ゆえの焦りだった。今回は時空を超えてしまった若者の成長物語。必然的に「受け身」の芝居になり、これまでの道のりを振り返る等身大の若者役に共感する点も多い。

 「既に卒業された上級生の方から、もっといろいろ、盗んでおけばよかったと最近、痛感します。幼すぎて、ただ舞台が好き、楽しい! 勢いだけで過ごしていた時期もあった」

 前作「王妃の館」で主要キャストを演じ、コメディーの間を勉強。同じ恋愛喜劇の今作にも生きる。

 「コメディーはやろうと思っちゃいけない。今までは振り切る役が多くて、今回はまた新鮮。まだ自分に違う魅力があると思う」

 息抜きはドライブ。関西から倉敷まで日帰りすることもある。「気分転換。車を運転すると、脳みそ(考え)が変わるんですよね」。車のハンドルも“遊び”があるから、運転ができる。タカラジェンヌとしての“遊び”、「心のゆとり」を得て、スター街道を走っていく。

 ◆パーシャルタイムトラベル 時空の果てに(作・演出=正塚晴彦氏) シンガー・ソングライターを目指すジャン(桜木)は、古物店で見つけた謎めいた金属の塊に興味をひかれ、購入。すると、めまいに襲われ、気づけば目前に中世ヨーロッパの景色が広がっていた。時空旅行の中で恋をし、人としての価値観を見つけ出していく姿を描く幻想的なラブコメディー。

 ☆桜木(さくらぎ)みなと 12月27日、横浜市生まれ。09年3月初舞台。宙組配属。14年11月、前トップ凰稀かなめサヨナラ公演の「白夜の誓い」で新人公演初主演。15年10月「相続人の肖像」でバウホール初主演。昨夏「エリザベート」では本公演でルドルフ(役代わり)。身長170センチ。愛称「ずん」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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