フェイクニュースが流行る背景に「善意不信」あり
2017年06月22日
朝日新聞が「総理のご意向」を示す文部科学省の内部文書の存在を報じて、政権の一大スキャンダルに発展している加計学園問題ですが、その存在を証言した前川喜平前文部科学事務次官に対して、読売新聞が2017年5月22日に、「前川前次官 出会い系バー通い 文科省在職中、平日夜」と題した記事を掲載したことも話題となりました。
ところがその後も、2017年6月3日付朝刊で読売新聞社会部長が「不公正な報道であるかのような批判が出ている」ことに対し「批判は全く当たらない」と、正当性を強調し、さらには「政権・行政の監視という報道機関の役割を果たしていく」という苦しい主張を展開しています。
おそらく読売新聞の中には、今回の「不公正な」報道に対して、快く思っていない記者も多々いることでしょう。しかし、かつて池上彰氏のコラム掲載「見合わせ」を決定した朝日新聞社の判断に関して、現場の記者たちからTwitterで批判があがり、判断を覆して掲載されたことが2014年にありましたが、そのような自浄作用が読売社内に働いていないことはとても残念に思います。
ところがテレビのコメンテーターたちまでがこれを「苦しい釈明だ」「見え透いた嘘」「そういう趣味があったのだろう」と、疑いの目を彼に向けていました。
また、インターネット上ではよりダイレクトに、「変態前川」という誹謗中傷が蔓延していたのです(Twitterで「前川 変態」と検索すれば今でも中傷コメントをたくさん見ることができます)。
もちろんご存知の方も多いように、出会い系バーで前川氏と接触したという女性の証言を紹介する週刊文春等の続報によって、今では彼が本当に女性の貧困調査という目的で出入りしていた可能性が高いと言われています。
それにもかかわらず、さも前川氏の弁明が嘘であると決めつけるようなコメントを寄せた人々は、訂正や謝罪をしたのでしょうか?
特に印象的だったのが某テレビ番組の
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