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藤井聡太四段ブームはひふみん人気があったから?

天才少年と天才じいさん、どっちが欠けてもここまでの爆発力はなかった

青木るえか

対局を振り返る加藤一二三九段(右)と藤井聡太四段=東京都渋谷区の将棋会館 20161224拡大負けて対局を振り返る加藤一二三九段(右)と藤井聡太四段=2016年12月24日
  藤井四段敗れる 30連勝ならず
 07月02日 21時33分
 将棋の最多連勝記録を30年ぶりに更新した中学3年生の藤井聡太四段が、2日、東京で行われた対局で敗れました。
 藤井四段が公式戦で敗れたのは初めてで、連勝は「29」で止まりました。

 ってNHKのネットニュースの文面だけど、勝った相手の名前ぐらい出してやれよ!

敗れた藤井聡太四段拡大ついに敗れた藤井聡太四段
 で、ちょうど投了した時にやってた「Mr.サンデー超拡大スペシャル」で、ゲストに来てた女の人(名前を見損なった )が、「コンピューターの将棋とちがって藤井くんの“負けました!”っていう頭の下げ方が人間らしくていい」というようなことを言っていたが、この人はコンピューター将棋をぜんぜん知らない。

 機械だけど、アームを曲げてペコンと頭を下げるのが、すごく人間味溢れてて可愛いんだぞ。そういうとこまでちゃんとできてるんだ、今のコンピューター将棋は。ただ強いだけじゃないんだぞ。

 しかし、藤井聡太四段の話題がこんなに盛り上がって、「藤井システム」の藤井猛九段は今どのような心境なのであろうか。四段と九段、まだまだ実力差は大きい、将棋で藤井といえば藤井猛、我に迷い無し。とか考えたりしてるのだろうか。……と思ったら、「“じゃない方”の藤井」と名乗ってるらしい。Twitter情報でそのことを知った。さすがである藤井先生。

一二三先生はなんで今ごろブレイクしたのか

 などと知ったようなことを言ってるけど、私は駒の動かし方すら知らない将棋知らずですが、将棋棋士についてはけっこう詳しい。将棋棋士について書かれた本を昔から読んでいるので。

 ルックスとエピソードで、駒も動かせないのに棋士マニア。タイプなのは谷川浩司永世名人に指の美しい佐藤康光、そして一連の将棋ソフト騒ぎによって渡辺明と三浦弘行、両方ともすごく好きになってしまった。ミーハーの極みだ。

史上初の「中学生棋士」としてデビューした頃の加藤一二三九段(右)。当時の「週刊朝日」では「関西の天才少年」と紹介されていた=1954年拡大1954年、史上初の「中学生棋士」としてデビューした頃の加藤一二三くん(右)。「関西の天才少年」と紹介されていた=「週刊朝日」より
 自慢じゃないが、「将棋指し」に興味を持ったキッカケは、週刊朝日に載った「ついに名人になった神武以来の天才・加藤一二三」についての記事を読んでだ。1982年のことですよ。

 その時は、「子供の頃から天才と言われてたけど名人にはなれなかった苦労の人」で「キリスト教徒」で「長考」で「対局中にでかい空咳する(たぶん対戦相手は迷惑)」という、当時は今ほどキャラが立っていなかったにもかかわらず、そして新名人の基本提灯記事にもかかわらず、一読して「なんか変わった人かも」ということがビンビン伝わってくる記事であり、その後、毎日新聞社が出した棋士の写真集みたいなやつでも、「加藤一二三先生大好き!」みたいなページとなっていて、とにかく昔からああいう人だったのだ。なんで今ごろブレイクしたのか。

いきなり異形がマスコットに ・・・続きを読む
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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

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